「できない理由考えず」「社内でナンパ」若手の仕事術
ビズリーチ野村吉貴さん・バンダイナムコAM山下友美さん

(2/2ページ)
2019/4/7 6:00
保存
共有
印刷
その他

■社内でナンパ!? アイデアを形にする突破力

バンダイナムコアミューズメントの山下友美さんは自身について「決して創造的な人間ではない」といいます。しかし「世の中の素晴らしいアイデアの種を形にして、より多くの人に広めることに関しては誰にも負けない」と仕事への熱い思いを語ってくれました。

――2018年に期間限定店として企画した「絵本の中のBAR」について教えてください。

「秘密の本の中に閉じ込められた不思議な森をテーマにしたノンアルコールカクテルバーです。植物学者の祖父の部屋にある植物図鑑を開いたら本の世界に自分が入り込んでしまったという裏設定なんですよ。店内のテーブルには本の中の森や湖や星空がプロジェクションマッピングで再現されていて、お客様の行動に応じて花が咲く、鳥が飛び去るなど、心がときめく変化が起きます。子供のころ絵本を読んだときのようなキラキラした気持ち、未知の世界に出会うときめきをもう一度思い出していただけたらと思ってつくっています」

――すてきですね。企画に行き着くまでに苦労されたと思いますが、どのようにスタートしたのでしょうか。

「弊社のサービスってストレス発散系のエンターテインメントは多いんですが、自分のペースで楽しめるエンタメはあまりなくて……。スカッとするエンタメでストレス発散することも大切だけど、大人の女性がゆったり楽しめるエンタメをつくりたかったんです」

「現代って生き方が多様化していて、何かを選択しないといけない責任とか重圧が大きいですよね。そういう方々に『自分の選択した行動で周りがすてきになっていく』そんな心ときめく体験をしてほしいと思ったんです」

バンダイナムコアミューズメントが手掛けた「絵本の中のBAR」(東京都千代田区)

バンダイナムコアミューズメントが手掛けた「絵本の中のBAR」(東京都千代田区)

「今は5人のチームですが、最初は1人でした。実現させたい思いが大きすぎて、1人で企画書を作って上司のところに乗り込んでプレゼンしました」

――どうやって説得されたんですか。

「おおよその事業数値とリスクを試算し、ビジネスモデルキャンバスなどのフレームワークや写真を多用して、とにかくイメージを持ってもらえるようにしました。事業の全体像を説明しただけでいきなり『全予算をください』と言っても、会社は許可してくれないじゃないですか。まずは試験的にプロジェクションマッピングをつくることから始めました。反応が良かったので、弊社が運営する施設の中に実験的に設置して、お客様の反応を見る。このように少しずつ成功を積み重ねて、『いける』と会社に思ってもらえるようにしたことが企画を実現できた要因ですかね」

■「エンターテインメントは生活必需品」

――アイデアにあふれ行動力もある山下さんは、新規事業担当者のイメージ通りです。

「そんなことないです。私は自分が創造的な人間だとは思っていません。SNS(交流サイト)などを見ていると独創的なアイデアの種を持っている人がたくさんいます。どちらかというと私は、複数のアイデアをうまくつなげて形にするのが得意です」

「私はエンターテインメントは生活必需品と考えています。『楽しい瞬間が人を生かす』と信じていて、一生を賭けるに値する仕事だと思っています。学生時代、演劇を見るのが好きだったんですけど、才能があっても金銭的に行き詰まってやめてしまう人も多かった。そういう人を見ていて、歯がゆさを感じていました。事業として発展させられる方法を見つけられれば、より広くより遠くの人に届けていける。バンダイナムコアミューズメントに入社したのも、その方法を見つけるスキルを身に付けて、埋もれていくアイデアや想いを世に出せるようになりたいと思ったからです」

――まさに夢がかなったわけですね。では、商品企画や新規事業に必要とされるスキルとはどのようなものでしょうか。

「突破力ですね。ゼロをイチに持っていく力。新しい事業を進めていくためには、ビジョンを持って、作戦をたてて自分で動かなければなりません。その際、人を説得したり仲間を増やしたり、周囲を切り開くスキルが必要になります」

「全てを全員で合意しようとすると、結局良いものがつくれないこともあるので、皆の意見は聞くけれど最終的には自分で判断するしかありません。そのバランスが難しいので日々悩んでいます」

――自分流の仕事術ってありますか。

「社内ナンパです(笑)。社内には新たな事業やサービスを開発してきた先達がたくさんいるので、自分のプロジェクトに対する客観的な意見を聞きに行きます。同じ社内といえども相手は私を全く知らない場合もあるので、そんな時は廊下で待ち構えます。偶然すれ違ったように見せかけて声をかけ、そこで自己紹介と今度相談したいことがあると伝えてアポを取ったこともありました。相談内容を明確に、『○○について意見を聞きたい』と相手に伝えることが大事だと思います。最初は緊張しますけれど慣れます(笑)」

【関連記事】
トキめく仕事の見つけ方 若手社会人座談会
エース社員の能力、数値化してみた テストで検証
若者の「それな」を発掘しよう
若者の心「イイワケ」でつかむ
  • 前へ
  • 1
  • 2
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]