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TMEIC、太陽光発電をリアルタイム抑制 出力制御対応

日経クロステック

東芝三菱電機産業システム(TMEIC、東京・中央)は、電力会社の出力制御指令に従って太陽光発電所の出力をリアルタイムに抑制する機能を同社製品群に新たに追加し、九州電力四国電力沖縄電力における出力制御への対応を完了したと2019年4月2日、発表した。

九州電力は、15年度に実証事業(次世代双方向通信出力制御緊急実証事業)を通じて、リアルタイムの出力制御技術を確立してきた。

同事業では、出力電圧66キロボルト(kV)以上の特別高圧送電線への連系案件と、66kV未満の高圧配電線への連系案件に分けて実証したが、両分野の実証に参画したパワーコンディショナー(PCS)メーカーはTMEICだけだったという。同社は、実証による知見と社内に蓄積したシステム技術を融合させることで、66kV以上と66kV未満の連系案件双方をカバーする制御技術を確立したという。

同社の制御システムは、すでに出力制御の始まった九州電力のほか、出力制御の準備段階に入った四国電力と沖縄電力にも適用可能で、今後、その他の電力会社の出力制御にも順次、対応していくという。

各電力会社の状況とTMEIC の対応実績(出所:TMEIC)

具体的には、66kV以上では、出力制御機能を「メインサイトコントローラー(MSC)」に組み込むことで対応する。MSCとは、発電所の全PCSを集中制御し、連系出力を最適に制御する上位システム。これは全PCSの合計出力を対象とするため、サイト内で日射が不均衡な場合などに発電ロスを低減し、発電量を最大化できるという。こうした技術は、出力制御にも効果的に対応できるという。

66kV 以上の構成例(出所:TMEIC)

追加設置で抑制量を最小化

一方、66kV未満では、出力制御ユニットをPCS本体に内蔵する。これにより、出力制御ユニットとPCS間の通信異常による出力停止リスクを極小化し、PCSとの間で出力制御情報を一元化できるとともに、PCS本体と同時に出力制御ユニットをメンテナンスできるなど、保守・点検作業も効率化できるという。

66kV未満の構成例(出所:TMEIC)

今回の出力制御機能は、66kV以上/66kV未満ともに、既設のTMEIC製PCSに追加して設置できる。従来、高圧連系案件のなかには出力抑制時にPCSを手動停止しているサイトもあり、必要以上に抑制時間が長くなった場合、売電収入の減少につながるほか、対応人員の確保も課題となっていた。出力制御機能を追加導入することで、電力会社がリアルタイムで要求する最小限の出力抑制にとどめることができるとしている。

TMEICによると、「今後、太陽光発電所は電力供給源としてだけでなく、出力制御をはじめとする発電所システムとしての対応が求められる。MSCなどのPCS制御システムは、電力系統の品質安定、発電量の維持向上、イニシャルおよびランニングコストの低減に貢献できる」(TMEIC・産業第三システム事業部の澤田尚正事業部長)という。

(日経BP総研クリーンテックラボ 金子憲治)

[日経 xTECH 2019年4月3日掲載]

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