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豊島逸夫の金のつぶやき

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「2万円割れ」待つヘッジファンド

2019/4/4 9:07
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「ご足労だがニューヨークまでおいでいただけまいか。日本株について詳しく吟味したいので手伝ってほしい」。最近、ヘッジファンドの仲間たちから丁寧な「招待状」が舞い込んだ。筆者が長く在籍したスイス銀行出身者たちのグループである。

過去の事例では、筆者がニューヨークで日本株レクチャーを依頼されると、平均6週間前後のタイムラグで「外国人投資家の日本株買い」が始まっている。そもそも、彼らが日本株への興味がなければ、筆者がわざわざ呼ばれることもない。彼らの日本株への本気度が感じられる。日本株買いへのウオーミングアップともいえよう。

筆者に白羽の矢が立つ理由は、利害関係がない中立的な立場で、しかも、同じ銀行出身の仲間ゆえ本音で語るからだ。著者は日本の大手証券が海外向けの日本株キャラバンで配布した資料を読み込んだうえで、会って率直な感想を伝える。早速、電話で打ち合わせたところ、最初の印象としては、日本株が「消極的選択肢」として浮上してきたようだ。

外国人投資家は米国株中心の運用のなかで、国際リスク分散として、欧州株と新興国株を買ってきた。しかし、欧州経済は英国の欧州連合(EU)離脱問題やドイツ経済への懸念から買いにくい。既に保有している欧州株は売り手じまいたい、との姿勢だ。

一方、主要中銀が緩和方向に動くなかでドルが売られ、新興国通貨が反騰して、新興国株が買われた。しかし唐突なトルコ異変で、新興国株についてもリスクが改めて材料視されている。

そして「最後のフロンティア」として残った日本株。相変わらず「エキゾチック=異国的」とのレッテルを貼られ、日本株に関する知見はお粗末の一言に尽きる。とはいえ、「日本株のほうがまだマシ」との判断で、少なくとも、中立的な情報を収集したいとの動きは顕在化している格好だ。

いくつかのヘッジファンドに、ストレートに聞いてみた。「日経平均株価がどの程度の水準なら買いの興味を持つか」。答えは2万円割れが目立つ。

そこで著者が感じたのは、日経平均が現在の膠着状態から脱するには、まず下がって、上昇エネルギーを蓄えることも必要という点。例えるならば、走り幅跳びでは、助走から踏切りで瞬間的に体勢を低くしてから、ジャンプせねば、高く長く飛べない。相場とて同じだ。

今のまま、徐々に上がっていっても、踏み切りが弱く、あまり高みは望めない。百戦錬磨のヘッジファンドも動物的臭覚で、日経平均急落のタイミングを狙っているのかもしれない。これは筆者が招聘に応じニューヨークで彼らと対話して確認できよう。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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