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セブンイレブン社長交代、24時間問題で体制刷新
永松副社長が昇格、古屋氏は会長に

小売り・外食
2019/4/3 19:00
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セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン―イレブン・ジャパンは古屋一樹社長(69)が退任し、後任に永松文彦副社長(62)が昇格する人事を固めた。古屋社長は代表権のない会長に就く。人手不足を受けフランチャイズチェーン(FC)加盟店から24時間営業の見直しを求める声が上がる。事業環境が変化するなか、経営体制を刷新する。これまで成長を支えてきたコンビニモデルをどこまで見直すかが焦点になる。

【正式発表記事】セブンイレブン社長に永松氏 「FCの悩みに応える」

永松文彦氏

永松文彦氏

4日午前にも取締役会を開き、正式に決定する。新社長の就任日は週明けとすることで最終調整している。セブンイレブンの社長交代は、鈴木敏文セブン&アイ元会長(86)の退任などでグループ全体が大きく揺れた2016年以来、3年ぶりとなる。

セブンイレブンは国内のコンビニの生みの親ともいわれる鈴木元会長の強力なカリスマ性で現在は2万店を超えるチェーン店を束ねてきた。16年に社内人事を巡る混乱の中で鈴木元会長が突然、退任した後、持ち株会社の井阪隆一社長(61)とセブンイレブンの古屋社長などによる集団指導体制に移行した。

ただ、カリスマなき後、チェーン運営の結束のゆるみも目立ってきた。24時間営業の問題を巡っては2月に、大阪府東大阪市のFC加盟店オーナーが、本部の合意のないまま営業時間の短縮に踏み切り、同社が契約違反と指摘して対立する事態となった。一部のFC店オーナーらがこの動きを支持し、終日営業の見直しを求める声を上げた。

こうした動きを受け、同社は3月下旬、直営10店で営業時間を短縮する実験を始めるなど対応に追われている。FC加盟店には古屋社長名の文書を配布。24時間営業の原則を維持するとしながらも営業時間について「一律に判断を下すのではない」として、個別の事情に応じて柔軟に対応する姿勢を示していた。

親会社セブン&アイの井阪社長は鈴木元会長のカリスマ型の統治とは一線を画して、経営陣や現場との対話を重視する姿勢を打ち出した。ただ実際には事業会社の内部や、事業会社と持ち株会社の間で意見交換や意思疎通がスムーズにいかないこともあったようだ。セブンイレブンの取締役も兼ねる井阪氏は24時間営業の問題など現場のトラブル報告が経営陣まで迅速に上がっていない体制を問題視していた。

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永松氏は人事畑が長く、社内や加盟店とのコミュニケーションを円滑にするのに適切な人材だと判断したことも登用の理由になったとみられる。3月に配布した加盟店向けの文書も永松氏が策定に中心的な役割を果たしたという。3月にセブンイレブンの取締役から副社長に昇格したばかりで、歴代の社長に比べると商品開発や、加盟店の経営相談を担う部署での経験が浅いが、同じグループの通販大手ニッセンホールディングスなど幅広い分野での経験を生かしてもらいたい狙いもある。

午前1時に閉店したセブンイレブンの店舗。24時間営業が転機を迎えるなど事業環境が変化するなか、経営体制を刷新する

午前1時に閉店したセブンイレブンの店舗。24時間営業が転機を迎えるなど事業環境が変化するなか、経営体制を刷新する

会長に就く古屋氏は「鈴木元会長の経営哲学を引き継ぎ、親分肌で社内の統率力が高い」(セブン&アイ幹部)。鈴木元会長が退任した後、チェーン運営の中核を担ってきた。今後は永松氏のサポートにまわる。

1974年の国内1号店の出店から今年で45年。全国2万店超にまで店舗網を拡大してきたが、加盟店の経営環境は厳しさを増している。永松氏が中心となって持続可能なコンビニの次世代モデルを構築しなければならないが、これまで24時間営業など長期成長を可能にしてきた効率的な事業モデルを見直す作業は容易でない。(今井拓也)

永松 文彦氏(ながまつ・ふみひこ)80年(昭55年)東京経済大経卒、セブン―イレブン・ジャパン入社。14年ニッセンホールディングス副社長。18年セブン―イレブン・ジャパン取締役、19年副社長。東京都出身。

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