ゴーン元会長4度目逮捕 オマーンルート特別背任容疑

2019/4/4 7:25 (2019/4/4 7:40更新)
保存
共有
印刷
その他

日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(65)が同社の資金をオマーンの知人の会社に不正支出した疑いが強まったとして、東京地検特捜部は4日、会社法違反(特別背任)の疑いでゴーン元会長を再逮捕した。同日午前、東京都内にあるゴーン元会長宅に地検の係官が訪れ、同行を求めた。

【関連記事】特別背任罪とは

ゴーン元会長は3月6日に保釈され、裁判所に届け出た東京都内の住居で生活を送っていた。特捜部が保釈中の被告を新たな容疑で逮捕するのは異例。元会長の逮捕は4回目となる。

特捜部は1月の追起訴後も捜査を継続し、中東各国に捜査共助を要請するなどしていた。「オマーンルート」解明には身柄勾留を含む強制捜査が不可欠と判断したもようだ。

ゴーン元会長の再逮捕容疑は、2015年12月から18年7月、日産子会社からオマーン財閥系の現地の販売代理店に販売促進費などの名目で計1500万ドルを送金。このうち、計500万ドルを元会長が実質的に保有する預金口座に還流させ、日産に約5億6300万円の損害を与えた疑い。

関係者によると、オマーンの販売代理店は財閥系の「スヘイル・バウワン・オートモービルズ」(SBA)。SBAへの送金額のうち、25%~50%がゴーン元会長側に渡っていたという。財閥経営者のスヘイル・バウワン氏はゴーン元会長の知人だった。

ゴーン元会長とみられる人を隠しながら車に向かう東京地検の係官ら(4日午前、東京都内)

ゴーン元会長とみられる人を隠しながら車に向かう東京地検の係官ら(4日午前、東京都内)

日産からSBA側に渡った資金は総額で約35億円に上る。SBA側からゴーン元会長の息子が経営する米国企業などにこの資金が流れていた形跡がある。また、ゴーン元会長がバウワン氏側から約30億円を個人的に借りていたとされる。

ゴーン元会長は08年、リーマン・ショックに伴う急激な円高の影響で、自身の資産管理会社が運用する通貨取引のスワップ契約で巨額の損失が発生。取引先銀行から追加担保を求められるなど資金繰りに窮していた。

日産の中東子会社では09年ごろから最高経営責任者(CEO)が使途を決めるCEO予備費と呼ばれる裁量枠が設定されるようになり、SBA側にもCEO予備費から販売促進費の名目で支出されていた。特捜部はCEO予備費の不透明な流れの解明を進める。

ゴーン元会長は18年11月の最初の逮捕以降、▽退任後に受け取る予定の報酬計約91億円を有価証券報告書に記載しなかった金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)▽サウジアラビアの知人側に日産子会社から約12億8千万円を不正支出させるなどした会社法違反(特別背任)――の罪で19年1月11日までに起訴されている。

東京拘置所に入る、ゴーン元会長を乗せたとみられる車(4日午前、東京・小菅)=共同

東京拘置所に入る、ゴーン元会長を乗せたとみられる車(4日午前、東京・小菅)=共同

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]