健康・医療ベンチャー支援拠点、みなとみらいに開設
横浜市の外郭団体、木原記念横浜生命科学振興財団(横浜市)は健康・医療関連のベンチャー企業を支援する拠点「LIP.YOKOHAMA BIBLIO(リップ横浜ビブリオ)」を、みなとみらい(MM)21地区に開設した。ベンチャーにとって負担が大きい論文検索や各種専門家への相談仲介などの支援を通じ、ベンチャーの成長につなげることを目指す。

市の健康・医療分野のビジネスを支援する取り組み「横浜ライフイノベーションプラットフォーム」(LIP横浜)の一環。木原財団が市の補助金を得て運営する。横浜市の林文子市長は2日の定例記者会見で「オープンイノベーションの取り組みが多く生まれ、横浜からライフサイエンス分野でのビジネス創出が活発になることを期待したい」と述べた。
米ウィーワークの日本最大のシェアオフィス「オーシャンゲートみなとみらい」(約2800席)の一室を借りて開設した。業務に応じて1~2人程度の担当者が駐在する。
主要な機能は情報収集支援だ。ベンチャー関係者が入手したい論文や研究開発情報などを施設の担当者に伝えると、関連情報を付け加えるなどして用意してくれる。室内には健康・医療関連の研究に関する書籍や雑誌、市場調査リポートなどが100冊以上あり、必要に応じて閲覧できる。
助成金制度を説明するセミナーや勉強会、大企業との交流会なども実施する計画だ。オーシャンゲートみなとみらいの中に開設することで、入居者ら異業種との交流やビジネスマッチングなどにもつながるとみている。
製薬会社出身で医薬品の開発や薬機法に詳しい木原財団のコーディネーター、知的財産に詳しい弁理士による相談対応なども受け付ける。米サンディエゴの起業家支援機関「CONNECT(コネクト)」と連携し、専門家による経営助言や成果発表の場を提供するアクセラレーションプログラムの実施なども計画している。
リップ横浜ビブリオはベンチャーの他に、研究機関や大学なども使える。事前予約制で、原則は平日午前10時から午後5時まで開館する。利用無料。利用者はオーシャンゲートみなとみらい内のオープンスペースや会議室も使用できる。