豪、12年ぶり財政黒字 来年度予算案 資源価格上昇で

2019/4/2 18:57
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【キャンベラ=松本史】オーストラリア政府は2日、来年度(2019年7月~20年6月)の予算案を発表した。資源価格の上昇などを背景に税収が増え、12年ぶりの財政黒字を達成する。その後4年間、黒字が続くとも見込む。だが、住宅市場の調整や最大の貿易相手国である中国の景気減速といった懸念材料もある。政府は総選挙をにらみ、低中所得者向けの支援策に動いている。

予算案を発表するフライデンバーグ財務相(2日、キャンベラ)

来年度の財政黒字は基礎的現金収支で71億豪ドル(約5600億円)を見込み、18年12月時点の予測(41億豪ドル)から拡大した。2日記者会見したフライデンバーグ財務相は「成長は力強く失業率は低い」と述べた。

支えは資源価格の上昇や雇用改善による法人・所得税の増収だ。政府は18年12月時点で今年度の鉄鉱石価格を平均1トン55ドルと見積もったが、足元では80ドルを上回る。雇用面では、2月の失業率(季節調整済み)は4.9%と7年ぶりの水準に低下。政府のインフラ投資に加え、非資源分野で企業投資が拡大したことが奏功している。

先行きには不安材料も多い。政府は予算案の前提になる来年度の実質国内総生産(GDP)の伸び率を18年12月時点から0.25ポイント引き下げ、2.75%とした。

豪州の住宅価格は下落が続く。17年半ばまで低金利や中国マネーの流入で上昇を続けたが、中国の資本規制や金融機関のローン審査の厳格化で暗転した。輸出額の3割を占める中国経済の減速も、下押し圧力となる。

豪州では5月末までに総選挙を実施する予定。モリソン政権は低中所得者への減税や支援を打ち出し、選挙に臨む考えだ。高騰する電気料金に対応し、今年度から2億8千万豪ドルを投じて年金生活者や単身の子育て世帯に最大で1人75豪ドルを支援する。低中所得者に税還付も実施し、年収4万8千~9万豪ドルの人なら年1080豪ドルの還付を受けられるようにする。

だが、与党・保守連合(自由党と国民党)は支持率が最大野党・労働党を下回っており、総選挙でも苦戦が予想される。「どんな予算案も(選挙で負ければ)労働党にひっくり返される」(キャピタル・エコノミクス)との見方も出ている。

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