/

日本、CO2排出70年ごろゼロ 政府が新目標

政府は2日、日本が排出する二酸化炭素(CO2)を2070年ごろまでに実質ゼロとする新たな目標をまとめた。再生可能エネルギーや原子力の活用を明記した。水素の安価な製造やCO2を回収して資源として活用する新技術の採用も掲げた。6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議を控え、主要7カ国(G7)で初となる排出ゼロの目標を打ち出した。

「野心的な提言をまとめて頂いた。脱炭素社会を実現するにはイノベーションを起こさなければならない」。安倍晋三首相は2日、官邸で開かれた有識者会議「パリ協定長期成長戦略懇談会」に出席し、同会議が「今世紀後半の早い時期」に実質ゼロとする目標を示したことを評価した。

政府は今回まとめた目標を6月に国連に提出し、G20首脳会議でも表明する。排出ゼロの目標を示すことにより、国内で開かれる同会議で温暖化対策の議論をリードしたい考え。日本は11年の福島第1原子力発電所事故を受けた原発停止で排出削減にブレーキがかかっており、長期でも明確な目標を打ち出す必要があると判断したようだ。

地球の気温上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑える目標を掲げる国際的枠組み「パリ協定」は、各国に目標を策定するように求めていた。

国連は気温上昇を2度未満とするには世界のCO2排出量を70年までに実質ゼロにする必要があると提言している。政府はこれを念頭に70年ごろまでの達成をめざす。

今回の政府目標は水素の製造費を50年までに現在の1割以下にし、天然ガスより割安にして普及を促すことを明記。排出されたCO2を回収し、資源化することで排出を実質ゼロとする。事故の危険性を抑えるとされる次世代原子炉の開発を進めることも盛り込んだ。

ただ、炭素の排出量に応じて価格付けするカーボンプライシングの導入や、CO2排出の多い石炭火力発電の廃止は見送った。水素利用や新型原発は今後の技術革新に委ねられ、どれだけ寄与するかは未知数だ。

フランスやカナダ、英国など脱石炭を掲げる国が重要電源として位置付けている原発の再稼働も日本では進まない。

一方で石炭火力の新増設計画は相次いでいる。環境省の試算では現状ベースの新増設が続けば、30年度のCO2排出量の削減目標を約7千万トン超過するという。

このため30年度までに13年度比で温暖化ガスを26%削減する足元の目標は据え置いた。17年度までに約8%しか減っておらず、30年度の目標達成は困難な状況だ。足元の削減を先送りしたままでは、温暖化対策で日本がリーダーシップを発揮できるかは疑問が残る。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン