2019年9月20日(金)

5Gサービス号砲 韓国KT、世界初のスマホ向け

2019/4/2 20:48
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次世代の高速通信規格「5G」サービスの号砲が鳴った。韓国の通信大手、KTが2日、世界初のスマートフォン(スマホ)向けサービスを5日に始めると発表した。米国でも11日に始まる。2020年末には主要20カ国・地域(G20)のうち17カ国で商用化される見通し。いずれも限られた地域からのスタートで、普及には通信会社による投資のスピードに加え、専用端末・サービスの料金がどこまで下がるかもカギとなりそうだ。

韓国KTは画面を5つに割ってゲーム対戦競技「eスポーツ」の観戦を提案(2日、ソウル)

韓国KTは画面を5つに割ってゲーム対戦競技「eスポーツ」の観戦を提案(2日、ソウル)

KTは18年12月から、韓国政府が割り当てた5Gの周波数で一部企業に通信サービスを提供していた。5日からは消費者が広く使うサービスを始める。SKテレコム、LGユープラスも同時に始め、世界に先駆けて5Gサービスが始まる。

5Gの実効速度は4Gの100倍で、2時間の映画のダウンロードが5分から3秒になる。KTが5日から提供する専用コンテンツはゲームや動画だ。「複数の映像を滑らかに表示できるのは5Gだから」。同社の担当者は2日、スマホ画面を5つに割ってゲーム競技「eスポーツ」を観戦する利用方法を見せた。ゴーグルで仮想現実(VR)のライブを鑑賞するコンテンツも用意する。

スマホ向けサービスは韓国を皮切りに世界へ広がる。米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズは18年10月から家庭にのばす固定回線代わりに活用していたが、今月11日からイリノイ州とミネソタ州の2都市でスマホ向けに提供する。

日本では10日、周波数の割当先が決まる。NTTドコモは9月のラグビーワールドカップで試験提供し、20年春に本番を迎える計画で事業免許を申請している。KDDIソフトバンクも20年の商用化を目指す。

世界で5Gサービスが始まるが、最初は地域が限られる。各国内の広い地域で使えるようになるまでには、さらなる投資と時間が必要だ。

KTの李弼宰副社長は「3万の基地局を整えた」と話すが、19年のカバーエリアはソウルや釜山などの首都圏または中核都市にとどまりそう。ベライゾンのカイル・マラディ最高技術責任者は、同年内にサービス対象となる地域が「30程度の都市」と話す。5Gの実用化に先んじた米韓でも、サービスを全域に広げるには数年はかかる。

普及には料金競争の行方も関わる。ベライゾンは現在、データ容量が無制限のプランを月75ドル(約8300円)で提供しており、5Gの利用には同10ドルを追加で払う必要がある。KTの無制限プランの通信料は同8万ウォン(約7800円)からだ。

韓国の5Gサービスで当初使える端末はサムスン電子「ギャラクシーS10.5G」の1種類。13万円台で、同社の4Gの高級機種より数万円高い。広げるとタブレットになり動画が見やすい折り畳み端末などが今後、世界で発売されるが、20万円を超す製品もある。

5Gサービスの需要は消費者に加え企業分野で高まる。ドイツで1日開かれた産業機械見本市「ハノーバーメッセ」では、自動車部品大手のボッシュが5Gなどを使う配線のない工場を提案した。生産品目に合わせ設備を組みかえられる。

5Gはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」を後押しする。携帯事業者の国際団体、GSMアソシエーションによると、25年の世界の移動通信契約数に占める5Gの割合はIoT用を含め15%になる。韓国が59%と最も高い。次いで米国の50%、日本の48%となっている。

(ソウル=山田健一、新井重徳)

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