2019年5月21日(火)

「令和」新風吹く、関連商品・万葉集に関心・早くも詐欺

「令和」新時代
2019/4/2 10:33
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新元号「令和」が各地に新しい風を吹き込んでいる。各企業は商機につなげようとあやかった商品の発売やキャンペーンに乗り出した。令和が引用された万葉集への関心も高まる。自粛ムードが強かった前回の改元時とは異なり、今回は祝賀ムードの中で平成への名残と令和への期待が混ざりながら、5月1日の改元に向けた準備が最終段階に入る。

新元号「令和」の字を練習する子供たち(2日、東京都青梅市)

新元号「令和」の字を練習する子供たち(2日、東京都青梅市)

アートキャンディーを扱う「パパブブレ青山店」(東京・渋谷)には2日午前、「令和」の文字入りのキャンディーを求める客が列をつくった。女性会社員(54)は「職場の同僚にあげて改元の雰囲気を味わいたい」と話した。

百貨店では高島屋が令和元年生まれを記念したベビーウエアや、平成と令和の文字が刻まれた純金の小判などを売り出す。そごう・西武も改元記念のどら焼きを27日から来店客に配り、30日までは平成、5月1日からは令和の焼き印を押す。

新元号「令和」の文字を焼き付けた煎餅を販売する(2日午前、津市の「平治煎餅本店 大門本店」)

新元号「令和」の文字を焼き付けた煎餅を販売する(2日午前、津市の「平治煎餅本店 大門本店」)

家電量販店のビックカメラは5月1日の改元に合わせたセールを計画。衣料大手のしまむらも改元に伴うセールを行う予定で、北島常好社長は「改元で消費者の意識が変わり、購買意欲につながる」と期待する。

新元号にちなんだキャンペーンを実施するたこ焼き店(2日午前、大阪市中央区のくれおーる道頓堀店)

新元号にちなんだキャンペーンを実施するたこ焼き店(2日午前、大阪市中央区のくれおーる道頓堀店)

銀行や保険会社、地方自治体などのシステム開発を請け負うTISは「令和元年」とプログラムを書き換える作業に着手した。ただ、事前に改元が分かっていたこともあり「時間的には余裕を持って対応できている」(担当者)という。

東京都内の書店では2日、現代語訳した万葉集の文庫本などを紹介したコーナーが登場。書店からの相次ぐ注文に出版社も重版を決定した。

新元号の公表を受け、書店に設けられた万葉集関連のコーナー(2日午前、東京都千代田区の神保町ブックセンター)

新元号の公表を受け、書店に設けられた万葉集関連のコーナー(2日午前、東京都千代田区の神保町ブックセンター)

万葉集は7~8世紀後半の編さんとされる日本最古の歌集。全20巻、約4500首の歌が収録されている。令和は巻五の一節で、梅見の宴会で詠まれた三十二首の和歌の前に置かれた漢文の序文「初春令月、気淑風和」から取られた。

宴会は730年(天平2年)、(旧暦の)正月13日、大宰府(福岡県太宰府市)の大伴旅人の邸宅で開かれたという。宴会の様子を人形で再現し展示する「大宰府展示館」は2日、多くの人でにぎわった。福岡県糸島市から訪れた坂本肇さん(72)は「新元号の由来をきちんと勉強したい」と語った。万葉集に詳しい奈良大の上野誠教授は「時代を通じて変わらない人間の思いやりや優しさが詠まれた日本文学の原点だ。新元号をきっかけに多くの人に親しんでほしい」と話す。

新元号の由来となった歌会の展示を見る人たち(2日午前、福岡県太宰府市の大宰府展示館)

新元号の由来となった歌会の展示を見る人たち(2日午前、福岡県太宰府市の大宰府展示館)

新元号に沸く一方で早くも便乗した詐欺事件も起き、警察当局は注意を呼びかけている。埼玉県越谷市では80代女性が市や金融機関の職員をかたる男からの「元号が変わるのでカードを新しくした方がいい」との電話でカード3枚をだまし取られ、現金100万円を引き出された。宮城県岩沼市でも80代女性が同様の手口でカードをだまし取られた。

NTTドコモソフトバンクは新元号発表に絡み、各社になりすましたメールが利用者の携帯電話に届くケースを確認したと発表した。新料金プランやキャンペーンをかたり、内容確認を名目に本文中に記した偽サイトのアドレスにアクセスを促す内容だった。

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