ボーイング事故、エチオピア当局が週内にも暫定報告
【ニューヨーク=中山修志】3月10日にエチオピアで発生した米ボーイングの新型機「737MAX」の墜落事故について、エチオピアの事故調査当局が週内にも暫定報告書を公表することが分かった。ロイター通信などが1日報じた。失速防止のための機体制御システムの事故への関与などが焦点になる。

エチオピア当局はフランス航空事故調査局(BEA)などの協力を受けて、事故機から回収した飛行記録や音声データの分析を進めている。米メディアによると、飛行記録には墜落前に「MCAS」と呼ぶ制御システムが作動したことを示すデータが見つかったという。
昨年10月にインドネシアで発生した最初の墜落事故では、機体の傾きを測るセンサーの不具合によってMCASが誤作動し、機体が急降下した可能性が指摘されている。エチオピアの事故原因も同じ制御システムの問題だと判断されれば、再発防止の議論はシステムの見直しを中心に進むことになる。
ボーイングはエチオピア当局の暫定報告に先立ち、3月27日に「MCAS」のソフトウエアの修正を発表した。システムの自動制御よりパイロットの操縦を優先するなどの改良を加える。米連邦航空局(FAA)は1日「数週間以内にボーイングから修正ソフトの最終版を受け取り、安全性を審査する」とコメントした。