2019年6月19日(水)

新時代への期待高まる 「令和」発表に特別な思い

「令和」新時代
2019/4/1 18:50
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1日午前の新元号「令和」の発表を特別な思いで見つめた人々がいる。印刷業を営む男性は娘の結婚パーティーの案内状に自らの手で新元号を印刷。平成最後の新入社員は誇らしげな表情で入社式に臨み、平成元年入社組は去りゆく「平成」を名残惜しんだ。新元号のスタートは1カ月後。迫る新時代の到来に期待が広がった。

▼招待状に新元号

昔ながらの手法を用いた活版印刷で営業を続ける印刷業の「嘉瑞(かずい)工房」(東京・新宿)。新元号発表を受け、社長の高岡昌生さん(61)は早速、6月に予定される結婚パーティーの案内状に「令和」の2文字の印刷を始めた。

活字棚から取り出した新元号「令和」の活字(1日、東京・新宿の嘉瑞工房)

活字棚から取り出した新元号「令和」の活字(1日、東京・新宿の嘉瑞工房)

案内状の依頼主は、2月に入籍したばかりの次女、みなさん(29)。子供のころから慣れ親しんだ父の印刷所で150枚ほどの案内状を刷り、招待客に送る予定だ。

高岡さんは30代で父親から会社の経営を引き継ぎ、妻と二人三脚で4人の娘を育ててきた。次女のみなさんは平成元年の1989年生まれ。人生に欠かせない基盤を固めるために奔走した平成を「自分にとっての『ど真ん中』の時代だった」と振り返る。

新元号「令和」の活字を結婚パーティーの招待状に印刷した高岡昌生さんの次女、みなさん(1日、東京・新宿)

新元号「令和」の活字を結婚パーティーの招待状に印刷した高岡昌生さんの次女、みなさん(1日、東京・新宿)

父の背中を敬意を持って見つめてきたみなさんは「平和という言葉に『平』という字が使われているように、平成は戦争のない時代だった」と振り返る。「これからも争いごとなく世界中の人々とつながりながら、日本の良さを発信していける時代になってほしい」と新時代に思いを託す。

▼最後の「平成入社」

1日の入社式には平成最後の新入社員たちが緊張した様子で顔をそろえた。

都内の私立大を卒業した総合商社の男性新入社員(22)は令和の「和」の字について「互いが手を取り合い、和を尊ぶという意味を感じた」と話す。世界の市場を開拓するのが夢。「多くの国や地域の人々が対立する中、世界中の国や企業の間を取り持って和を実現できれば。他人任せでなく責任感を持って仕事をしたい」と力を込めた。

平成に生まれ育った世代。スマホやSNS(交流サイト)を器用に使いこなす。平成を「SNSの登場で個人が発言する機会が増え、個人の自由度が増した時代だった」と語り、「自分も入社後、やりたいことを追求したい」と意気込む。

▼「元年入社」の思い

新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)などの運営会社で社長を務める堀一久さん(52)は1日午前の入社式で6人の新入社員に祝辞を述べた。自身は平成元年入社組。「自分たちが時代のスタートラインに立つんだという誇りと緊張感を持ったことを覚えている」と語り、30年前の自分と新人の姿を重ねた。

自身は信託銀行に入行。まもなくバブルが崩壊し、山一証券の経営破綻やメガバンクの誕生など金融業界の変遷を目の当たりにした。02年に退職し、現在は家業の水族館の経営を担う。

「親しんだ平成が終わることは名残惜しい」と語る一方、令和の「令」の文字からは「ご令室」や「令嬢」を連想し「女性の活躍がめざましい時代が来る。新時代を表す素晴らしい元号だ」と喜んだ。新入社員は6人のうち5人が女性だ。新元号を1カ月後に控え「新入社員には希望を持って仕事に臨んでもらいたい」と話した。

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