【ソウル=山田健一】1987年11月29日にイラクのバグダッド発ソウル行きの大韓航空機が空中で爆破されて乗客・乗員115人が死亡した事件で、当時の韓国の全斗煥(チョン・ドゥファン)政権が実行犯の金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚の韓国移送を同年の大統領選挙前に実現しようとしたことがわかった。韓国外務省が公開した外交文書の内容を聯合ニュースが1日までに伝えた。
金元死刑囚は大統領選前日の12月15日に韓国に身柄を引き渡された。聯合は「全斗煥政権が事件を政略的に利用しようとしたことは過去の事件調査で明かされていたが、外交文書でも再確認された」と指摘した。
外交文書には、韓国側と金元死刑囚の身柄を拘束したバーレーン側との攻防が記されている。