知事選 北海道は与党系優勢、自民分裂の島根は接戦 - 日本経済新聞
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知事選 北海道は与党系優勢、自民分裂の島根は接戦

日本経済新聞社は7日に投開票する統一地方選前半戦の11道府県知事選について電話による世論調査や支社支局などの取材をもとに情勢を探った。唯一、与野党が対決する北海道は、自民、公明両党が推す新人がリードしている。自民分裂の構図となった島根は、自民推薦候補と自民県議の一部が支援する候補が激しく競る。同じく自民分裂の福岡は現職が優勢だ。

電話調査は北海道、島根、福岡で実施した。北海道は自公が推薦する前夕張市長の鈴木直道氏が安定した戦い。自民支持層の8割弱をまとめ、公明支持層の獲得も進んでいる。若年層や女性など幅広い層から支持を集める。野党統一候補の石川知裕氏は立憲民主支持層の8割、共産支持層の5割強を固めたほか、環太平洋経済連携協定(TPP)など自由貿易に慎重な層を取り込んで追う。

今回、自民は島根、福岡、福井、徳島4県で分裂選挙となった。そのうち故竹下登首相が強い基盤を築き「竹下王国」と言われた島根では、44年ぶりの分裂選挙で新人2人が激しく競る。

自民県議の一部などが支援する丸山達也氏は、県議会の野党会派の支持に加え、連合島根などからも推薦を受けた。自民支持層の取り込みは2割強だが、立民支持層の6割、無党派層の3割を固めた。自主投票の公明は丸山氏の支持が優勢だ。自民推薦の大庭誠司氏は、県選出の自民国会議員が全面支援し、自民支持層の4割弱をまとめた。

もう1人の自民系候補の島田二郎氏は県歯科医師連盟や自民の安来市議の一部が推すが、支持に広がりが見られない。

福岡では現職の小川洋氏が3選をめざし、新人で元厚生労働官僚の武内和久氏が挑む。小川氏は地元選出の麻生太郎副総理・財務相との関係が悪化。党本部は麻生氏や福岡県連の求めに応じ、武内氏を推薦した。

小川氏は自民の一部の国会議員や県議に加え、連合福岡など非自民系の支援も受け、大きく抜け出た。自民支持層や立民支持層の6割を固めている。武内氏は政策転換による経済成長の実現を訴える。3割弱の支持にとどまる自民支持層や、出遅れる無党派層の取り込みが課題だ。

島根と福岡では自民分裂選挙の是非も聞いた。島根では「望ましい」が43%で「望ましくない」の37%を上回った一方、福岡では「望ましい」が28%で「望ましくない」が55%で過半だった。現職が大きく差を広げる福岡に比べ、新人2人が接戦を繰り広げる島根では、自民分裂に肯定的な声が多く出たようだ。

徳島は5選をめざす現職の飯泉嘉門氏が一歩抜け出した。4期16年の実績を強調し、主要経済団体をほぼまとめるなど組織票を固める。知名度で劣る新人の岸本泰治氏は、知事の多選批判票の取り込みを図る。

福井では新人で前副知事の杉本達治氏がやや先行し、現職で5選をめざす西川一誠氏が激しく追い上げる。杉本氏は農協など団体の協力を背景に支持を広げる。西川氏は知名度の高さと経済界の支持で巻き返しを図る。

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4年に一度の統一地方選が行われる。今年は統一地方選と夏の参院選が12年に一度重なる「亥(い)年選挙」。与野党対決となる北海道知事選などがあり、夏の参院選と合わせて結果が注目される。

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