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スロバキアに女性大統領 「反汚職」ポピュリズムに一矢

【ブラチスラバ=石川潤】スロバキアで30日投開票された大統領選挙の決選投票で、反汚職を訴える女性弁護士、ズザナ・チャプトバ氏(45)が勝利を決めた。政府高官とマフィアの癒着を取材していた記者が2018年2月に殺害された事件で高まった現政権への批判を追い風にした。ポピュリズム(大衆迎合主義)が広がる欧州で、親欧州連合(EU)のリベラル派が一矢報いた。

チャプトバ氏は同国で初の女性大統領となる。6割近い票を獲得し、政権与党「スメル(道標)」が支持したシェフチョビッチ欧州委員会副委員長を引き離した。大統領の政治上の権限は限られるが、現政権にとっては事件後の抗議運動で当時のフィツォ首相が辞任に追い込まれたのに続く打撃となる。

「私はあなたたちのそばにいると約束する」。30日深夜、支持者らの前に紫色の鮮やかな衣装で現れたチャプトバ氏は、やや緊張した面持ちで選挙戦の勝利を宣言した。

数カ月前までほとんど無名だったチャプトバ氏が勝利したのは、社会正義のために戦ってきた弁護士というイメージと政治を変えるという主張が、政権への不信感を募らせる有権者の心を捉えたためだ。「悪と戦う」と訴え、特に都市部や若年層の支持を集めた。

同性愛者の権利を擁護する同氏に対して、対抗馬のシェフチョビッチ氏は同国で大きな影響力を持つキリスト教の価値観に寄り添う姿勢を示したが、及ばなかった。政権与党からの支持が裏目に出た面もある。

欧州では既存政治への不信感などを背景に、ポピュリズム政党や極右が勢力を伸ばしてきた。ここ数年の選挙ではイタリアやオーストリア、ハンガリー、チェコで極右などが躍進。中核国のドイツ、フランスでも既存政党が振るわず、19年5月の欧州議会選挙への警戒が強まっていた。

小国スロバキアの大統領選挙でのリベラル派の勝利が、こうした流れに与える直接の影響は限られそうだ。ただ、ハンガリーやポーランドでも強権主義的な政権に対する反対運動が広がり、ドイツでは緑の党が極右を上回る支持を集めている。ポピュリズムの勢いにも変化が見えつつある。

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