2019年4月20日(土)

ベトナム1~3月対米輸出3割増 中国からの生産移転で
GDP6.79%増、個人消費がけん引

東南アジア
アジアBiz
2019/3/30 5:00
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【ハノイ=大西智也】ベトナム統計総局が29日発表した2019年1~3月の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6.79%増だった。GDPの7割弱を占める個人消費を含む最終消費支出が7%増えたのが主因。米中貿易戦争の長期化に伴う中国からの生産シフトで対米輸出が3割近く伸びたことも寄与した。

スーパーの開業が相次ぎ、個人消費の拡大につながっている(ハノイ市内)

成長率は18年10~12月期の7.31%より減速したが、1~3月期だけでみると過去10年で18年(7.45%)に次ぎ2番目に高い。18年の成長率は7.08%と前の年の6.81%から拡大し、08年以降最大の伸びだった。

19年1~3月期で目立った変化があったのが輸出だ。最大の輸出国である米国向けが前年同期比26%増えた。衣類などが特に伸びている。米中貿易戦争が長期化していることで繊維業界などで隣国の中国からベトナムへ生産拠点を移す動きが進んだ影響だ。景気が減速する中国向けが7%減少したのとは対照的だった。

みずほ総合研究所は米中貿易戦争でベトナムがアジア地域で最大となる実質成長率を0.5ポイント程度引き上げる効果を見込む。松浦大将エコノミストは「世界経済が減速しても、中国からの移転が進むことである程度相殺する効果が期待できる」と指摘する。

ただ1~3月期の輸出全体では4.7%増と全体より低い伸びだった。韓国サムスン電子の低迷が響いた。ベトナムの輸出は3分の2が外資系企業によるもので、そのうち約4割をサムスンが占める。サムスンはベトナム北部に2カ所のスマホ工場を持ち、同社の好不調がGDPに大きな影響を与えてきた。携帯電話や電子部品の輸出は前年同期比4.3%減少した。

1~3月期の成長を支えたのが個人消費だ。ベトナムは東南アジア諸国連合(ASEAN)で3番目に多い1億人弱の人口を抱え、高・中所得層が広がってきた。複合企業最大手のビングループは年1000店ペースでコンビニエンスストアを出店しているほか、スーパーの開業も続いていることが消費を押し上げている。

業種別では製造業が12.3%伸びた。ビングループは18年11月に同国で初めての電動バイクを発売、6月には自動車市場に参入する。同国2番目となる出光興産系のニソン製油所が18年12月に商業生産を開始するなどサムスン以外の製造業の裾野が広がってきた。

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