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SNSで理想の服作り ブランドは憧れから等身大に

日経 MJ

SNS(交流サイト)やライブ配信を活用して消費者と直接交流する新興ファッションブランドが人気を集めている。デザイナー自らがブランドの魅力を語ったり、消費者と一緒に衣料品を作ったりしている。アパレル不況とも言われるなか、作り手の"等身大"の魅力が10~20代の若者を引き寄せている。

週に1度、ライブ配信で服を紹介

「この服はアイロンがけがかなり大変です!」「袖のカフスがかわいいですよね」――。インスタグラムのライブ配信で、ブランドや服に対する思いを紹介するのは高坂マールさん。レディースブランド「foufou(フーフー)」のデザイナー兼代表だ。視聴者からのコメントに回答しながら配信を続ける様子は、まるでお店での接客のようだ。

foufouのライブ配信ではデザイナー兼代表の高坂マールさんが自ら説明する(写真右)

フーフーのフォロワー数は2万人を超え、月に最高で1500万円を稼ぐ。

ライブ配信は週に1度だけだが、リアルタイムで毎回350人近くが視聴する。フーフーの愛用者で、都内在住の20代の女性は「他にないかわいいデザインに加えて、マールさんの服づくりに対する真摯な姿勢が魅力」と語る。

フーフーのように、ネットを介して直接商品を販売する新興ブランドが相次いでいる。

小柄女性に特化したブランド「COHINA(コヒナ)」だ。ブランドの共同代表である田中絢子さんと清水葵さんが「背が低くて服選びに困ってきた」経験から2018年にブランドを立ち上げた。

情報源はSNS

コヒナは毎日、インスタでライブ配信をしている。代表2人が自ら商品を紹介したり、身長別のモデルに試着してもらったりしている。さらに開発中のサンプル商品も紹介。「丈はもう少し短くしてほしい」「赤色がほしい」などの声を踏まえて商品を改良する。顧客も参加し一緒にブランドをつくりあげていくという、一種の「コミュニティ」を形成している。すでに月商は数千万円に及び、毎月2~3割程度の成長を維持しているという。

国内外のアパレル市場に詳しい独コンサルティング会社、ローランド・ベルガーの福田稔パートナーは、「価値観が多様化し、中間価格帯のブランドは面で売り上げをとるのが難しくなり、多数の小規模なブランドが一定の力を示す構図になっている」と指摘する。SNS(交流サイト)やネット通販を駆使した、一部の消費者に支持される小規模のブランドが増えているという。

コヒナの両代表はアパレル経験ゼロだが、「小柄な女性でもデザインとシルエットを妥協せずファッションを楽しめるブランドをつくりたい」と意気込む。

若者がSNSを情報源とするようになり、ファッションの好みも細分化したなか、消費者すべての心をつかむのは難しい。個々のニーズを踏まえた細かいターゲット戦略とそれに応じた商品開発がブランドには求められそうだ。

(鈴木慶太)

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