中国の食品市場、30年に1.9倍に 農水省が将来予測
農林水産省は29日、2030年までの世界各国の飲食料市場の推計を発表した。中国は15年の265兆円から30年には1.9倍の499兆円に拡大すると予想。経済成長で生鮮品から加工品へ需要が移り、加工品市場は2.2倍に膨らむとした。日本国内の市場は縮小傾向にあるが、アジアなどへの輸出を伸ばす余地は高いとの見通しを示した。
経済協力開発機構(OECD)や国際通貨基金(IMF)、国連の統計資料をもとに主要34カ国・地域の飲食料市場を、生鮮品・加工品・外食の3つにわけて予測した。農水省として海外市場の将来予測をまとめたのは初めて。
主要34カ国・地域全体では、15年の890兆円が30年には1364兆円になると見通した。特に1人当たり国内総生産(GDP)の伸びが大きいアジア地域が424兆円から794兆円と1.9倍に膨らむ。一方で北米は223兆円から284兆円と1.3倍、欧州は211兆円から242兆円と1.1倍の伸びにとどまる。
新興国ではインドが人口増加で需要が膨らみ、15年の48兆円から30年には104兆円と2.2倍になる。インドネシアも生鮮品の需要が拡大し、22兆円から48兆円と2.1倍に増える。