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あばら骨、開いてますか? 良い姿勢の源を探る
ランニングインストラクター 斉藤太郎

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2019/3/31 6:30
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9月15日に開催されるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)とその先の東京五輪に向けて、男女マラソン界が盛り上がっています。NHKの大河ドラマ「いだてん」からも刺激を受けて走り始めようとする方、久々に本腰を入れて走ろうという方がこの春は多いのではないかと思います。

気楽に始められるランニングですが、走り出して1~2カ月でどこかを痛めてしまうこともあります。健康的に走り続けるためには、第1にウオームアップや終了後のストレッチの習慣化、第2にはランよりも着地衝撃が少ないウオーキングに取り組むこと。長く運動から遠ざかっていた方でしたら「20分ウオーキング+10分ラン」といった割合からスタートし、様子を見ながら徐々にランの比率を高めていきましょう。

そして、特に重要なのが第3のポイントとなる姿勢とあばら骨。今回はこれについてのお話です。

痛みの原因は姿勢のゆがみかも

2本の脚で体を垂直に支えて生活している私たちの姿勢。骨盤が前傾して腰の骨(腰椎)が前にカーブを描きます。右側から見ると背筋は「S」の字を描くようにカーブしています。このカーブが着地衝撃をうまく分散してくれます。悪い姿勢では腰椎のカーブが失われ、骨盤が垂直または後傾に。頭は前に出て、左右の肩甲骨の距離は離れます。胸元や両肩は前に縮こまり、後ろ側は伸ばされているような猫背姿勢になります。

このようにバランスが崩れた姿勢で走っている方が多いと感じています。崩れている姿勢で走ると、やがて膝や腰を痛めることになります。違う言い方をすると、痛みや違和感の原因を探っていくと、おおむね姿勢のゆがみにたどり着くのです。

バランスの崩れた姿勢で走ると、膝や腰を痛める原因になる

バランスの崩れた姿勢で走ると、膝や腰を痛める原因になる

姿勢の良しあしの見分け方の一つで、私が今注目しているのは、あばら骨とその間にある肋間筋(ろっかんきん)の柔軟性です。上半身、内臓を守るように体の裏側にある脊椎から前側の胸骨に向かって12対の骨がつき、鳥かごのようになっています。深い呼吸はランニング能力を大きく左右しますが、肺もこの鳥かごの中に存在します。あばら骨周辺を緩めることで姿勢が整い、呼吸が深くなり、フォームに柔軟性をもたらします。

あおむけに寝てください。両腕を真横に開いたところから45度上げて万歳の体勢。両腕が床に接した状態を保てるでしょうか。浮いてしまう方は、あばら骨周辺が硬いと思ってください。あばら骨が緩んでいる状態では深い呼吸換気ができます。胸元や両肩といった体の前側はリラックスできていて、ゆったり広くなります。後ろ側の肩甲骨は左右が近づき、背中側が活性化します。

しなりをイメージ、ウエアのしわでチェック

背中側の筋肉のスイッチがオン。前側がリラックス。体の中心線を境目に右左がしなるフォームが理想です。腕振りは腕のみで行うのではありません。鎖骨、肩甲骨、あばら骨を含む上体で生み出すしなりのスイングを総称し、そんな腕振りで下半身に力を伝えているのです。

胴体をたくさんのゴムが縦に通る束とイメージしてください。左右に軽くしならせると元に戻ろうとします。胴体からしなりが繰り返されることで腕も脚も前後に振れる。そんな力の伝達ができてくると、とても楽に走れます。できているかの目安として、ウエアが斜めに引き伸ばされてしわが寄るような動きになっているかどうかを鏡やガラス越しにチェックしてみてください。

石こうで固まったような四角い胴体に腕と脚が4つの支点から伸び、前後のみに振る走り方を想像してみましょう。足運びは太ももからの前後運動で、腕振りも肩から前後への動き。これではただ四肢が動くだけの振り子の動きで、疲労が局所にたまりやすい走りといえます。その疲労が膝や腰の痛みにつながる可能性もあります。

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