2019年6月19日(水)

経営難の水処理大手ハイフラックス、支援者との対立鮮明に

東南アジア
アジアBiz
2019/3/28 23:32
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【シンガポール=谷繭子】経営難に陥ったシンガポールの水処理大手ハイフラックスと、出資を名乗り出たインドネシアの財閥との対立が鮮明になってきた。ハイフラックスの経営実態の悪さについて新たな情報が示されたことを受け、インドネシア側が出資額のうち2億7100万シンガポールドル(約220億円)を債権者への返済に回すことを渋り始めた。

昨年10月、出資合意で笑顔を見せたハイフラックスのオリビア・ラムCEO(前列中)とサリム・グループ総帥のアンソニー・サリム氏(右)

唯一の支援者との不和が続けば、ハイフラックスの経営再建の不透明感が増すことになる。

大手財閥サリム・グループが率いるSMインベストメンツ(SMI)は28日の文書で「最近明らかになった新情報により、ハイフラックスの事業再建資金を大幅に増やさなければならなくなった」とし、返済資金を減額する意向を示した。また返済資金額についてSMIは、ハイフラックスと「合意していない」と述べ、「事前合意済み」というハイフラックスの主張に反論した。

SMIは昨年10月、ハイフラックスに5億3000万シンガポールドルを出資・融資することで合意した。ここにきて返済資金額に異を唱えたのは、ハイフラックスの海水淡水化施設「トゥアスプリング」の操業状況が悪化していることが政府の発表で明らかになったためだ。

シンガポール公益事業庁(PUB)が5日、トゥアスプリングが契約通りに水を供給できない「デフォルト状態」にあるとし、「1カ月内に改善しなければPUBが無償で取得する」と言い渡した。

ハイフラックスは電力事業の失敗などで資金不足に陥り、18年6月、裁判所の破産保護下に入った。SMIの傘下で再建する道筋を立てたが、まず債務減免案について債権者の合意を取り付けなければならない。返済に充てる資金が減れば、債権者の反発は必至だ。

文書でSMIは、トゥアスプリングの運営状況など経営の実態についてハイフラックスから十分な開示を受けていなかったことを示唆した。SMIはこれまでにも出資合意の撤回を匂わせており、再建の雲行きは怪しい。

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