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銀証共同店舗で効率化、来店客減「フル機能」は見直し

北洋銀頭取に聞く

インタビューに応じる安田頭取(28日、札幌市)

人口減や経営者の高齢化が全国より早いペースで進む北海道を、地域金融機関はどのように支えていくのか。2018年4月に就任した北洋銀行の安田光春頭取に、マイナス金利で厳しい収益環境が続くなか、証券子会社との連携や地域産業の支援、店舗のあり方について聞いた。

――1年目の成果は。

「就任後すぐに総額5億円の『北洋SDGs(持続可能な開発目標)推進ファンド』を立ち上げ、既に10件を超える企業に出資した。もう一つは子会社の北海道共創パートナーズによる伴走型支援だ。(顧客の将来性を見極める)事業性評価と組み合わせて100件を超える成果が出ている」

――道内企業の課題をどう捉えていますか。

「経営者の高齢化と、後継者不足だ。場合によってはオーナーと社長を分離したり、銀行からM&Aを提案したりして企業を存続させる」

――19年度は証券子会社との連携を深めます。

「4月から上光証券が北洋証券になり、札幌と旭川では共同店舗も始まる。株式売買など、今まで銀行ではできなかった品ぞろえや取引をワンストップで提供できる。上光証券は法人との取引も多く、その顧客に対して事業承継や相続の相談に乗ることができる」

「店舗は証券と一緒でないと効率化は進まない。物理的なスペースの問題はあるので、それが解決できれば順次、共同店舗を増やす。19年度から銀証連携を通じて3年目に5億円、5年目に8億円の利益を出したい」

――道外では地場証券買収後に社員教育に苦労する例もあります。

「銀行と証券で文化の違いはある。北洋証券の業務が軌道に乗れば、人事交流という形でコンプライアンスなどの人材育成も進めたい」

――地方では採算の厳しい店舗もあります。

「5年前と比べ来店客は3割以上減った。メガバンクのように人や店舗、サービスを一気に減らすことはできないが、全ての店舗がフル機能を持つ必要はない。機能を絞るほか、他の金融機関と補完し合うことを考えている」

――人材育成についてはどう考えますか。

「金融のビジネスモデルは『変化』というより『転換』している。今まで銀行は決まった商品を提供すればよかったが、今では顧客が自分の欲しいサービスを銀行に求めるようになった。これまでは規制に守られすぎて、そうした転換にあまり対応できていなかった。反省しなければならない。異業種参入もあるなか、地元に密着して顧客の様々な相談に応えられる人材が必要だ」

――他の地銀と一緒になる考えはありますか。

「まったく考えていない。道外の地銀とアライアンスを組んでおり、そこでの連携を進める」

顧客と信頼構築、銀証連携のカギ

長引く低金利で地方銀行の収益環境は厳しい。北洋銀行の2018年3月期の連結純利益は前の期比18%減の136億円と2期連続で減った。北洋銀は上光証券との連携による手数料収入の拡大と、店舗やATM機能の見直しによるコスト削減に取り組んでいる。

銀証連携でカギとなるのが顧客との信頼構築だ。総務省の調査では14年時点で北海道は株式と株式投資信託を保有する世帯の比率が1ケタ台にとどまる。丁寧な商品説明のほか、証券会社の社員が中長期の資産運用提案ができるよう、教育の見直しが欠かせない。

店舗網の見直しも、地域の理解を得る必要がある。みずほフィナンシャルグループは今期、店舗やシステムの減損処理で6800億円の損失を計上する。道内の地方店舗では過疎化が進み採算が悪化する一方、地域産業を見捨てることはできないジレンマがある。店舗の休業日を増やしたり営業機能だけに絞ったりするなど、思い切った改革が必要だ。(向野崚)

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