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接近する「アラフォー」IT アドビとMSが提携拡大

米IT(情報技術)企業アドビとマイクロソフト(MS)が急接近している。27日に米ラスベガスで開催されたイベントに両社の最高経営責任者(CEO)がそろって登壇。顧客企業が両社のサービスをまたいでデータを活用できる仕組みを今秋までに整えると表明した。ともに設立から40年前後と米西海岸のIT企業としては老舗。データが生み出す価値の高まりが2社を近づけている。

マーケッター向けのイベントでアドビのナラヤン氏とMSのナデラ氏が共演(米ラスベガス)

アドビが主催するマーケッター向けのイベント「サミット」。27日にシャンタヌ・ナラヤンCEOと一緒にメインステージに現れたのはMSのサティア・ナデラCEOだった。両社と独SAPが昨年9月に打ち出したデータ連携の取り組みの進捗を説明。材料調達に関わるデータまで考慮して消費者への効果的なマーケティングにつなげる英蘭ユニリーバの試みを例に挙げ「データを(個別のサービスごとの)サイロから解放して、力を引き出す」(ナデラ氏)と強調した。

アドビは前日にも、MS傘下のビジネスSNS(交流サイト)「リンクトイン」で、所属企業や部署に基づく広告を効果的に打ちやすくするサービスを始めると発表。アドビの技術者たちが開発中のサービスを披露するイベントでも、MSの人工知能(AI)やクラウド基盤を取り入れたものが目立った。

36歳のアドビと、43歳のMS。アラフォーだけに協業の歴史は数十年に及ぶものの、数年前まではMSの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」でアドビの画像加工ソフト「フォトショップ」がちゃんと動くようにするというレベルだった。

一段と距離を縮めたのは「2年ほど前から」(アドビの担当者)。顧客情報の管理やマーケティング施策づくりに両社のソフトを組み合わせて使ってもらうため、販売やサポートなどで手を組むようになったという。

背景には、両社が業務用ソフトを納めている小売りや日用品などの顧客企業がデータをとことん使って経営判断する傾向を強めていることがある。一方で業務用ソフトの企業はウェブ解析や顧客情報管理(CRM)、統合基幹業務システム(ERP)など用途で分かれており、顧客が使いやすいかたちで各データをつなげる必要が生じているのだ。CRMでのし上がった米セールスフォースのような20代の企業との競争もある。

アドビとMSはともにインド出身の現CEOのもとで収益が安定しやすい継続課金型のビジネスにカジを切り、市場での評価を復活させた。似たもの同士のしたたかな接近は、今後どこまで発展していくだろうか。(ラスベガス=佐藤浩実)

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