シンガポール防衛大手、ベルギーの通信衛星企業を310億円で買収

2019/3/28 16:11
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【シンガポール=中野貴司】シンガポールの防衛産業大手シンガポール・テクノロジーズ・エンジニアリング(STエンジニアリング)は、ベルギーの通信衛星関連企業「ニューテック・グループ」を2億5千万ユーロ(約310億円)で買収すると発表した。通信衛星の利用は自動車や都市づくりなど多様な分野に広がっている。STエンジニアリングは買収をテコにこうした事業を育成する狙いがある。

STエンジニアリングは通信衛星を使った都市関連事業を重点分野に位置づける

次世代通信規格「5G」の導入などで、通信衛星分野の機器やサービスの需要が高まるとも期待している。買収は2019年下期に完了する予定だ。

ニューテック社は通信衛星の送受信装置など関連機器の設計や開発、製造を手がけており、同分野で多くの特許も持つ。STエンジニアリングは既にシンガポールや米国で通信衛星事業を展開しており、研究開発部門の融合や取引先の相互紹介などで2億シンガポールドル(約160億円)の買収効果が創出できるとみている。

ヴィンセント・チョン社長兼最高経営責任者(CEO)は「今回の買収は、都市での移動や防犯に関連する事業を成長分野に位置づけるSTエンジニアリングの戦略と合致する」と意義を強調した。

STエンジニアリングはシンガポールの政府系ファンド、テマセク・ホールディングスが株式の約半数を保有する国策会社。従来主力だった防衛機器だけでなく、近年はロボットや都市運営を効率化するスマートシティー関連事業などにも事業を広げている。

18年9月には約700億円で米航空部品会社を買収すると発表するなど、M&A(合併・買収)に積極的な姿勢が目立つ。

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