武田、整腸剤市場に再参入

武田薬品工業子会社の武田コンシューマーヘルスケアは28日、整腸剤市場に再参入すると発表した。同社はビオフェルミン製薬の整腸剤を販売していたが、2017年10月から大正製薬に販売権が移った。今回、乳酸菌などの整腸剤を販売する東亜薬品工業(東京・渋谷)と独占販売契約を締結。4月1日から販売を始め、改めて整腸剤市場での成長を狙う。
武田コンシューマーはビオフェルミン製薬の乳酸菌入り整腸剤を長年販売してきたが、ビオフェルミン製薬を買収した大正製薬が17年10月から販売することになった。武田コンシューマーの17年3月期のビオフェルミン製品の売り上げは91億円。品目別に見るとビタミン剤「アリナミン」などに続く4位で、売上高が大きく減少することになった。
今回、武田が販売するのは東亜薬品の整腸剤「ビオスリー」。乳酸菌、酪酸菌、糖化菌の3種類が配合された整腸剤で、腸内環境を整えて便通を改善する。錠剤タイプの「ビオスリーHi錠」と3カ月の赤ちゃんから飲める散剤「ビオスリーH」の2種類で展開する。
販売価格は税別で42錠入りの錠剤タイプが980円、散剤タイプが36包で1380円。ターゲット層としては30~40代の女性を想定する。
国内の大衆薬市場は縮小が続くが、整腸剤市場は17年度の売上高は前年度比約7%増の225億円と伸びがある。武田コンシューマーヘルスケアのマーケティング本部の陳野重也カテゴリーマネジャーは「ユニークな整腸剤であるビオスリーの投入で、大衆薬市場の拡大につなげたい」と意欲を示した。
武田コンシューマーは、アリナミンを中心に消費者に対して強いブランド力を持つほか、国内の卸企業との関係性も強い。今後は国内のドラッグストアでビオスリー製品の売り込みを強化する考えだ。また中国を中心とする訪日外国人客に人気の高い整腸剤を取り扱うことで、ビオフェルミン製品の販売中止にともなう売り上げの穴を補う狙いもあるようだ。