漫才コンビEXIT チャラ男キャラのしゃべくりで脚光
「ネオパリピ系漫才師」(パリピはパーティーピープルの略称)を自称し、チャラ男キャラのしゃべくり漫才を繰り広げるEXIT(イグジット)。2017年12月に結成したばかりだが、昨年11月には450席を超えるルミネtheよしもとで単独ライブを成功。今年1月には子ども向けバラエティー番組『おはスタ』(テレビ東京系)にレギュラー入りするなど勢いに乗っている。

急浮上のきっかけは、昨年7月に出演した『ゴッドタン』(テレビ東京系)の企画「この若手知ってんのか!?」。「今のバラエティーで売れそうな若手芸人」部門の1位として登場し、チャラいワードをふんだんに取り入れたネタでスタジオを沸かせた。
芸風からは意外なほど、漫才の基礎がしっかりしていることをレギュラー陣にイジられて慌てる様子も笑いを誘い、同番組には9月にも出演。その回では兼近がベビーシッターのアルバイトをしていることなどが明かされ、見た目とのギャップからさらに大きな話題となった。
2人は「『ゴッドタン』のおかげでツイッターのフォロワーも増えたし、レギュラーも決まりました」と感謝する。
お笑い芸人を志したきっかけは、「かつてはサッカー選手を目指していましたが、大学4年のプロテストの時期にケガをして、半ば投げやりな気持ちでNSC(吉本総合芸能学院)に入りました」(りんたろー。)。
「僕は中卒で『いと頭悪し』(チャラい言葉に古い言葉を交ぜる得意ネタ)なんですが(笑)、20歳のときに人生で初めて読んだ本がピースの又吉(直樹)さんのエッセー集『第2図書係補佐』だったんです。それで又吉さんへの憧れが高まって」(兼近)と、根っからのお笑い好きというわけではなかった。しかし、それぞれ最初に組んだコンビで経験を積み、お笑いファンを中心に知られる存在になっていった。
ところが、2人とも相方の不祥事が原因でコンビが解散。活動休止の憂き目にあったが、「ピンでチャラ漫談をやっていたときに兼近から声をかけられて」(りんたろー。)試しに組むことに。当初は「M-1グランプリ」に出るための即席コンビだったが、共に「これまでにない手応えを感じた」という。
テレビ出演も徐々に増えてきた現状を、兼近は「1年間で夢が全部かなって、バイトができないくらい忙しい」と明かす。りんたろー。は「前のコンビが解散したときに仕事がゼロになった喪失感や、何の目標も持てないつらさを経験しているので、どんな仕事でもありがたい」と語る。
今後のことを聞くと、兼近は「今はいろんなコンテンツがあふれているので、何でもやる芸人として全部に携わっていきたいです」と息巻く。りんたろー。は将来的な目標として「EXITフェスです、デカい箱で(笑)。お笑いと音楽の大規模なイベントができたら最高ですね」と挙げた。
昨年11、12月には立て続けにシングル楽曲を配信リリース。2人は「話を聞いたときはドッキリかと思ったけど、新しいことに取り組めるのは楽しい」と語った。音楽方面も含め、2人の動向に要注目だ。
(日経エンタテインメント!3月号の記事を再構成 文/遠藤敏文 写真/中村嘉昭)
[日経MJ2019年3月29日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
関連キーワード