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豊島逸夫の金のつぶやき

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中銀緩和ドミノ、2万円割れリスクに

2019/3/28 11:22
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米利下げ観測が株式市場には売り材料となっている。「市況の法則」に反する現象だ。

なぜ利下げという金融緩和が歓迎されないのか。市場は「利下げが必要なほど悪化する経済環境」を重視しているからだ。27日の米株式市場では、空席の米連邦準備理事会(FRB)理事候補がニューヨーク・タイムズのインタビューで「0.5%の利下げが望ましい」と語っただけで、ダウ平均が200ドル超急落する局面があった。

トランプ大統領がFRBに送り込むムーア氏は元トランプ陣営の経済顧問だ。トランプ氏は「18年12月のFRBの利上げのときにパウエル議長を解任せよ、と語ったことは後悔しているが、(利上げ反対の)私の見解は間違っていなかった」とも語っている。市場の懸念はFRBが徐々にトランプ色に染まってゆく可能性だ。

利下げが株安を招く展開はトランプ氏にとっても誤算だろう。では利上げになれば、株式市場には買い材料になるのか。その時点でのマクロ経済環境と市場の売買ポジション状況次第であろう。買いにも売りにも仕立て上げられる。ヘッジファンドが株空売りポジションを積み上げていれば「利上げにも耐えられる経済回復」とはやし、買い戻しの格好の材料として使うだろう。

市場の関心は米10年債利回りがどこまで下がるか。ここまで下げても下げ余地は十分にある。振り返れば、2016年半ばには1.37%まで急落していた。

安全資産とされる独10年債利回りがマイナス圏に逆戻りしたことで、安全性を求めるマネーが米国債に集中すれば、1%台は現実味を帯びる金利水準である。

投資家目線では、かたやドイツはマイナスイールド、米国は2.35%。どちらを選択するか答えは明白だ。

18年11月には3.25%まで上昇したが、5カ月ほどで急低下した。長期金利下落のモメンタムは強い。債券市場は1ベーシス(0.01%)で動くので、90ベーシス(0.9%)もの下げ幅のインパクトは強い。

短期金利はFRBが現行の2.25~2.5%の水準から0.25%刻みの利下げを2回実行したとしても、1.75~2%の水準ゆえ、長短金利逆転幅は拡大する可能性がある。

日本株への影響だが、米利下げ観測や長短金利の逆転現象で米国株が下げ、ドル金利安がドル安・円高を誘発するダブルパンチになる。

ドイツ国債のマイナス金利逆戻りも欧州経済の惨状を映す。米中貿易戦争は市場が納得できるような内容での合意に至るかは不透明だ。

日経平均2万円割れも覚悟せねばなるまい。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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