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トルコ株急落、政府のリラ売り阻止策が裏目に

【イスタンブール=佐野彰洋】トルコの代表的株価指数BIST100は27日、前日終値比約5.7%安と急落した。31日に予定される統一地方選を前に経済の混乱を恐れるエルドアン政権が通貨リラ売りの阻止策を国内銀行に命じたことで、投資家の間で保有する株式や債券を売却してトルコ市場から撤退する動きが加速した。

BIST100はクーデター未遂事件の起きた2016年7月以来の下げ幅を記録した。2年物国債は利回りが上昇(価格は下落)し、年20%を突破した。リラの対ドル相場も一時2.5%下落した。

高インフレを原因とするマイナス成長に直面するトルコでは22日、預金全体に占める外貨比率の高まりや中銀の外貨準備高減少への懸念などからリラが一時6%以上急落した。トルコ中銀は複数ある政策金利のうち、基準として使用する金利を割高なものに変更する事実上の利上げ策に踏み切っていた。

ロイター通信によると、27日のロンドン市場ではリラの翌日物スワップ取引金利が年1200%に達した。市場関係者によると、トルコ政府がこれ以上のリラ安を防ぐため、国内の銀行に対し国外の投資家とのスワップ取引に応じないよう命じた。

為替スワップは相場変動のリスクをヘッジする取引などに利用されている。リラの流動性が枯渇したことでリスクへの懸念が高まり、投資家の間でパニックが広がった。みずほ銀行欧州資金部の本多秀俊シニア為替ストラテジストは「リラの下落を防ぐために自由な売買を抑制した。市場のタブーを犯した」と指摘する。

トルコでは18年夏に米国との政治対立を原因とする通貨危機が発生し、リラの対ドル下落率は通年で約3割に達した。この影響で輸入物価が上昇しインフレ率は一時25%に達した。食料品などの値上がりや失業増はエルドアン政権の支持基盤である低所得者層を直撃している。

統一地方選では、エルドアン大統領の与党・公正発展党(AKP)が首都アンカラなどの主要都市で市長ポストを野党に明け渡す可能性が報じられている。

エルドアン氏は27日、「やつらは為替をもてあそんでいる」と述べ、国外投資家に責任があるとの主張を繰り返した。経常赤字国のトルコが成長を続けるには国外からの資金が不可欠だ。選挙目当ての市場介入が続けば、投資家の信頼が一段と低下し、中長期の資金流入を妨げる恐れがある。

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