2019年7月24日(水)

欧州中銀、マイナス金利の副作用軽減策検討
利上げ、必要なら再延期

2019/3/27 21:01
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【ベルリン=石川潤】欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は27日の講演で、マイナス金利政策の副作用の軽減策を検討していく考えを示した。ECBは3月の理事会で少なくとも年内は政策金利を現状水準に据え置くと決めたが、物価の上がらない状況が続けば利上げ時期の再延期も辞さない構えだ。副作用を和らげることで超低金利政策を続けやすくする。

ECBのドラギ総裁は経済・物価の先行きへの警戒を強めている=ロイター

ドラギ総裁はフランクフルトで開かれた会議で「我々が3月にやったように(今後も)新たな物価見通しに応じて政策金利の先行き指針を調整していく」と述べた。米連邦準備理事会(FRB)も2019年の想定利上げ回数をゼロに引き下げており、金融危機時に実施した大規模な金融緩和策の縮小は曲がり角を迎えている。

ドラギ総裁が利上げの再延期を示唆したのは、世界経済に広がる不確実性がユーロ圏の輸出・生産に影を落としているためだ。今のところ内需は堅調だが、景気減速が長引けば影響は全体に広がるとみている。依然として「リスクは下方に傾いている」というのがドラギ総裁の見立てだ。

さらに、物価上昇率「2%近く」というECBの目標達成が危うくなった場合には「必要な政策措置を総動員する」と指摘した。そのための手段に不足しているわけではないとし、一部でささやかれる政策の限界論を強く否定した。

問題はマイナス金利政策が長引いた場合、利ざやが縮小する銀行の収益が圧迫され、貸し渋りなどの副作用が広がりかねないことだ。ドラギ総裁はマイナス金利だけが銀行の低収益の原因ではないという考えだが、必要があれば、副作用を軽減するための措置を検討すると述べた。

具体的には、銀行がECBに預ける余剰資金のうち、マイナス金利が適用される範囲を絞り込む案などが検討されているもようだ。銀行の負担減につながる。

欧州では超低金利の出口が見通せないなか、ドイツ銀行とコメルツ銀行が統合交渉を開始するなど、再編の動きも広がり始めている。不良債権を抱えるイタリアなどの銀行の貸し出し姿勢が悪化するとの見方もあり、マイナス金利政策の修正がECB内でも検討課題として浮上していた。

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