小園、藤原らルーキーに注目 プロ野球29日開幕
プロ野球の2019年シーズンがセ、パともに29日に開幕する。オープン戦では攻守で生きのいい若手のアピールが見られた。ペナントレースでも真価を発揮しそうなルーキーに注目した。

広島のドラフト1位、小園(兵庫・報徳学園高)は、1軍メンバーに抜てきされた春季キャンプを"完走"した。重点的に鍛え上げたという下半身は、18歳ながら驚くほどのたくましさ。セ・リーグ3連覇中のチームに置かれても、体格面で見劣りしない。
不規則バウンドを恐れず、足の運びに優れた遊撃守備は人工芝だけでなく、球足の遅い天然芝や土のグラウンドでも十分に通用しそうだ。もともと評価の高い守備に加え、打撃でもパンチ力を誇示している。
21日のオープン戦ではヤクルトの抑え、石山から右越え2ラン。高めの真っすぐを力負けせずに振り抜き「うまく(体の)回転で打てた」。高卒新人では2006年の炭谷(現巨人)以来のオープン戦2本塁打目となった。高校あがりの遊撃手では中日ドラフト1位の根尾(大阪桐蔭高)より上との声もあり、前評判にたがわぬプレーを見せている。
走攻守そろったロッテのドラフト1位外野手、藤原(大阪桐蔭高)は24日の巨人とのオープン戦で、坂本勇の中堅への大飛球を前進気味の守備位置から背走して好捕した。「目を切って追う練習をしていたので、それができてよかった」といい、「今の力は百パーセント出せた。もっと力をつけないと」と意気込む。
オープン戦の打率は2割1分9厘ながら、初球からバットを振ってくる。岡らとの外野を巡る競争に堂々参戦し、「(1番打者は)なかなか悩みどころ」と井口監督を悩ませている。
昨季17年ぶりの最下位に沈んだ阪神では、近本(大阪ガス)、木浪(ホンダ)の社会人出身ルーキーがそろって開幕スタメンの座を勝ち取った。矢野新監督は木浪を1番遊撃、近本を2番中堅で起用する方針だ。
ドラフト1位の近本は自慢の走力を武器にオープン戦で6盗塁。内野ならどこでも守れる同3位の木浪はオープン戦で12球団最多の22安打を放ち、打率3割7分3厘をマークして「開幕しても必死にやる」。攻撃の幅を広げる存在として、即戦力の働きが期待される。
DeNAのドラフト1位、上茶谷(東洋大)は制球力に定評がある右腕。武器はカットボールで、ラミレス監督はこの球の使い手だった中日の元エース川上憲伸に例え、「とても効果的。2桁勝てるポテンシャルはある」と評価する。5年目の石田、昨季新人王の東が左肘痛で出遅れており、シーズン序盤から苦しい先発陣を支えられるか。
新人投手では巨人のドラフト1位左腕、高橋(八戸学院大)も早い段階で先発デビューを果たしそうだ。