パイオニア、27日付で上場廃止 ファンド傘下で再建
経営再建中のパイオニアが27日付で東証1部を上場廃止になった。2000年代中盤に行った巨額のプラズマテレビ事業への投資が経営の重荷となったほか、足元でもカーナビゲーションシステムなどの本業の苦戦が続き、自力での再建を断念せざるを得なかった。今後はアジア系ファンドの傘下で地図の技術を使った自動運転向けセンサーに活路を見いだす。
株式の最終取引日の26日の株価は65円だった。パイオニアは1961年に上場した。90年にはレーザーディスクなどの競争力が評価され、企業価値を示す株式の時価総額が1兆円を超えた時期もあった。しかし、その後はプラズマテレビへの巨額投資に失敗。次の成長分野に位置づけたカーナビもスマートフォンの普及におされ、失速した。
アジア系ファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジアによるパイオニアの買収が固まったのが昨年12月。3月にベアリングによる増資が完了するまで、パイオニアの時価総額は250億円前後まで下げる場面もあった。