2019年7月24日(水)

ポップコーンにもダシ文化(もっと関西)
とことんサーチ

関西タイムライン
コラム(地域)
2019/3/28 11:30
保存
共有
印刷
その他

自宅に帰ると家族がポップコーンをつまんでいた。みると梅カツオ味。記者はひそかに専門店が扱うグルメポップコーンにはまっているが、ひいきの味はキャラメルとチーズのミックスだ。そもそもかつて暮らした東京ではキャラメル、チーズに加え、塩やバターしょうゆ味が定番で、梅カツオ味など記憶にない。不思議に思い、関西のポップコーン事情を取材した。

ポップコーンと言えば、映画館と並んでテーマパーク。まずはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)に隣接の商業施設に出店する「ポップコーンパパ」を訪れた。

年配の女性が店内に入ってきて「梅カツオください」。購入を待って「なぜチーズでなく、梅カツオなのでしょうか」と尋ねると、兵庫県尼崎市から来たという女性は「えっ、梅カツオ定番ちゃうの?」と逆に驚かれ、面食らった。

そんなに梅カツオは関西で根付いているのか。ポップコーンパパを運営するドゥリームズ(大阪市)に聞くと「梅カツオは売上高で2割強を占める一番人気です」という。つまむとポップコーンのサクサク感に梅の酸味とカツオ節のダシがほどよくマッチする。

梅カツオ味があるなら関西のダシ文化のもう一つの柱、昆布味はないのか。探してみると案の定あった。高級ポップコーン「ヒルバレー大丸梅田店」。ここで人気なのが塩昆布の老舗、神宗(大阪市)とコラボしたポップコーンだ。昆布の上品な風味が売り物だ。

夏冬の期間限定。今夏は7月下旬から販売する。「取り扱い中の売上高は梅田店の15%強が昆布味で占めています」(ヒルバレーの運営会社、日本ポップコーン=川崎市)

京都には京風ポップコーンなるものが存在した。専門店の「京都かめよし」(京都市)ではサンショウの刺激的な味がきいた「完熟山椒」味や、薬味の老舗、原了郭(京都市)の黒七味を用いた「黒七味」味などを扱う。同店は塩味も販売するが「サンショウ味などが比較的売れています」(同店の亀井芳郎さん)。

ランキングサイト「ランキングー!」のアンケート調査によると、東京ディズニーリゾートで人気のポップコーン味は1位がキャラメル、2位がしょうゆバターだ。世界展開する米系のギャレットポップコーンショップスでは「全米やアジアで、チーズとキャラメル味を組み合わせた『シカゴミックス』が最も人気」だ。この傾向に対し関西ではポップコーンでなぜやや変わった味が上位につけたり、取り扱われたりするのだろうか。

ヒルバレー大丸梅田店の商品は塩昆布の老舗とコラボ

ヒルバレー大丸梅田店の商品は塩昆布の老舗とコラボ

関係者の多くが指摘するのは「関西のダシ文化の影響」(日本ポップコーンの上田顕社長)だ。同社がそもそも2016年に昆布味を開発したのは、大丸と共同で贈答用に大阪らしい味の商品をつくろうとしたのが契機だ。半年費やし、たどりついたのが関西人にうける昆布味だったという。

業者間で「トウモロコシのおいしさを個性的な味付けで差異化したい」(京都かめよしの亀井さん)という意識が強いのも要因だ。ポップコーンは甘系から塩系までいろんな味付けを手軽にできるのが特長。味付けの際に豊かな食文化を誇る関西では、調味料で様々な選択ができる。

富士経済によると国内のポップコーンの市場規模は19年に約94億円と、グルメポップコーンブームが起きた15年のピークから3割減る見通し。厳しい環境の中、どの味が消費者に響くのか。業者の試行錯誤によって、ポップコーンが関西で進化するのが垣間見えた。

(大阪経済部 山本修平)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。