2019年6月25日(火)

フィギュアの世界

フォローする

世界フィギュア、順位以上に収穫多かった日本勢
プロスケーター・振付師 鈴木明子

(2/2ページ)
2019/3/30 6:30
共有
印刷
その他

今季から変わったルールの意図は「完成度の高いものには加点するが、ミスは厳しくとる」というもの。男子は新ルールが求めるものを、非常に難しい技の構成でやり遂げたネーサン・チェン(米国)が勝った。昨季のように4回転ジャンプの着氷が詰まることがなくなり、何より苦手なトリプルアクセルを克服して最後までパワーが落ちなかった。

羽生は跳ぼうとする勇気が並外れている

羽生は跳ぼうとする勇気が並外れている

羽生結弦(ANA)は現地入りしたときから調子がよく、本人にも意気込みが見えて、自分に期待して挑む様子が見えた。SPで回転が抜けた4回転サルコーは、まだ左足が滑りきってないうちに、体だけが跳んでいってしまった。気持ちだけが前面に出てしまった感じがした。

SPは3位発進。フリーで鍵を握る冒頭の4回転ループだが、公式練習中に踏みきりでエッジがすっぽと抜けてしまい、転倒してしまった。これはスケーターが一番嫌な、トラウマになる転び方。本人だけでなく、周囲で見ていた選手ですらループを跳ぶ気がうせるほど。なのに、すぐに4回転ループの練習を再開した。1回転ループになることが多かったが、4回転ループに対する強い気持ちを感じた。4回転ループを演技の中に入れないと優勝できないと自覚していたからだろう。そして、本番でも決めた。

今後は4回転ルッツ、フリップへの意欲もみせる。羽生の才能と努力があれば、成功する日も近いはずだ。今、24歳。これから先は疲労の蓄積具合、疲れの抜け方が以前と変わってくる時期だ。その才能と努力があれば、成功する日も近いはずだ。が、どう体と折り合いをつけていくかがポイントになるだろう。

宇野が今季、大きく変化したのは心だった

宇野が今季、大きく変化したのは心だった

宇野昌磨(トヨタ自動車)が今季、大きく変化したのは心。初めて結果を求めたいというアスリートとしての「欲」に加え、平昌五輪銀メダリストとしての責任感も芽生えてきた。それまでは無欲で、「いかに練習でしてきたことを出すか。どの試合も変わらない」と言い、強気に攻めていた。今季は攻めたいという気持ちを保ちつつ、勝つためにはミスはできないというプレッシャーを感じながら自分を追い込んでいた。そうした心境の変化を受け止めるのに精いっぱいで、もがき続けたままシーズンが終わった印象だ。けがで思ったような練習をできない不運も重なった。アスリートとして結果を求めようとする「欲」を持つのはいいことで、選手としてもう一段階上がろうとしている状況で今後の選手としての成長が楽しみだ。

難しい4回転ジャンプをいくつも決めたうえで、残りの要素もいかにミスなくまとめるか。男子は北京五輪までの3年間は、このポイントにかかってくる。

「スポーツ」のツイッターアカウントを開設しました。

フィギュアの世界をMyニュースでまとめ読み
フォローする

  • 前へ
  • 1
  • 2
共有
印刷
その他

フィギュアスケートコラム

電子版トップスポーツトップ

フィギュアの世界 一覧

フォローする
紀平はフリーで巻き返したが、SPの出遅れが響いた

 日本勢の金メダル2個、銀メダル1個と沸いたさいたま大会から5年。再びさいたまスーパーアリーナで行われたフィギュアスケートの世界選手権は、銀メダル1個にとどまった。だが、日本勢にとっては実り多く、これ …続き (3/30)

紀平はGPファイナルで、13年ぶりに日本選手として初出場初優勝を果たした=共同共同

 フィギュアスケートの世界では、五輪の翌シーズンに新しいスター選手や、大きなルール改正に伴ってこれまでにない戦い方をする選手が出てくることがある。今季はそれが顕著で、わかりやすい。紀平梨花(関大KFS …続き (1/14)

ジャンプにミスが出たが、高橋は高い演技構成点を獲得した=共同共同

 24日まで行われたフィギュアスケートの全日本選手権で男子2位に入った高橋大輔(関大KFSC)。2019年3月20~23日にさいたま市で開催される世界選手権の代表入りは辞退したものの、自分らしく4年ぶ …続き (2018/12/30)

ハイライト・スポーツ

[PR]