2019年5月20日(月)

北朝鮮大使館襲撃に関与か 反体制組織「FBIに情報」

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2019/3/27 17:24
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【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権の打倒を掲げる反体制組織「自由朝鮮」が26日、2月に起きたスペインの北朝鮮大使館襲撃に関わったとする声明をウェブサイトで公開した。持ち出した情報は米連邦捜査局(FBI)と共有したと主張している。暗号解読に必要な機密情報を含む可能性があることから、北朝鮮指導部に動揺を与えているとの見方がある。

襲撃されたマドリードの北朝鮮大使館=ロイター

自由朝鮮は2017年にマレーシアで殺害された金正恩氏の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の息子、キム・ハンソル氏を保護したと主張する組織。3月1日に「臨時政府」の設立を宣言し、北朝鮮からの脱出者に「圧制者に抵抗せよ」と呼びかけたが、実態はよく分かっていない。

この組織が関与を表明した襲撃事件は、ハノイで米朝首脳会談が開かれる5日前の2月22日午後に起きた。現地報道などによると、面会者を装って大使館を訪れた犯行グループが大使館職員を縛り上げ、数人に対し脱北を勧誘。拒まれると複数のコンピューターとUSB、携帯電話などを持ち去った。

スペインの司法当局は事件に米国人や米国在住のメキシコ人、韓国人ら10人が関与したと明らかにしている。事件後に米国に逃亡したもようだ。スペイン紙は情報機関の話として、メンバーと米中央情報局(CIA)の関わりを報じた。

自由朝鮮は声明で「武器は使用せず、どの政府の関与もなかった」とし、スペイン当局に迷惑をかけたと謝罪した。直後の米朝首脳会談とは関係がなかったと主張したほか「価値の高い情報をFBIと共有した」と明かした。

16年に北朝鮮から韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英公使はブログで、北朝鮮当局の機密である暗号解読用のコンピューターが持ち出された可能性を指摘した。各国の情報機関はこれまで、北朝鮮の特殊暗号技術を解読できていないという。

北朝鮮は先週、駐中国大使やロシア大使、国連大使らを一斉に平壌に召還した。太・元駐英公使は、秘密事項を現地大使館に送れなくなったためではないかとみている。

事件に関し、米国務省のパラディーノ副報道官は26日の記者会見で「米国政府はこの事件と無関係だ」と強調した。米政府系の自由アジア放送(RFA)によると、FBIは「捜査について確認も否定もしないのが我々の一般的慣行だ」とコメントした。

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