ダイムラー、スマート株の50%を吉利に FT報道

2019/3/27 5:53
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【フランクフルト=深尾幸生、北京=多部田俊輔】独ダイムラーが小型車ブランド「スマート」の株式の50%を中国民営自動車大手の浙江吉利控股集団に売却する交渉を進めていることが26日わかった。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が関係者の話として報じた。スマートは販売が伸び悩み、赤字が続いているもよう。ダイムラーの筆頭株主になった吉利の資本を受け入れ、立て直しを図るとみられる。

スマートはEV専用ブランドとして収益を立て直そうとしていた(18年10月、パリ国際自動車ショー)

スマートはEV専用ブランドとして収益を立て直そうとしていた(18年10月、パリ国際自動車ショー)

吉利は「ノーコメント」としているが、関係者によるとスマートの中国での製造販売に加え、世界展開も交渉の対象に含まれている。

FTによると、4月16日に始まる上海国際自動車ショーの前にダイムラーは最終決定するという。スマートは2人乗りの「フォーツー」などで知られる小型車専用ブランドだ。スイスの時計大手スウォッチとダイムラーの合弁で1994年に設立され、現在はダイムラーの完全子会社になっている。

2018年の世界販売台数は17年比5%減の約12万8千台と伸び悩む。一方、中国では09年の参入以来、過去最高を記録した。ダイムラーはスマート単体の収益を公表していない。投資調査会社のエバーコアISIの試算によると、年間5億~7億ユーロの損失を計上している。

ダイムラーは20年までに北米と欧州でスマートを電気自動車(EV)ブランドにすることを決めている。世界最大のEV市場である中国での展開を考えると吉利との合弁が両社にとってメリットが大きいと判断したとみられる。

吉利は18年2月にダイムラーの株式の10%弱を取得し筆頭株主になった。吉利の李書福董事長と5月に退任するダイムラーのディーター・ツェッチェ社長などが協業の可能性について話し合っており「次世代分野が対象になる」(ツェッチェ社長)と話していた。18年10月には中国で配車サービスを共同で始めることを発表していた。

スマートにはダイムラーの平均二酸化炭素(CO2)排出量を抑えるという役割もあった。大型車中心のダイムラーにとって欧州連合(EU)の燃費規制を達成するのに一定の役割を果たしてきた。

ただ、販売台数が伸び悩み効果が限られるうえ、今後さらに厳しくなる規制を達成するには主力の「メルセデス・ベンツ」の大半を電動化することが必要になっている。相対的にスマートの重要性が低下していた可能性もある。

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