欧州議会、夏時間廃止「2021年に」可決
【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)の欧州議会は26日、仏ストラスブールで開いた本会議で、EU加盟国が一律採用しているサマータイム(夏時間)の制度を2021年に廃止する案を賛成多数で可決した。EUの執行機関である欧州委員会は2018年9月、19年の早期廃止を欧州議会と加盟国政府に提案していたが、欧州議会は廃止時期の2年先送りを支持した。今後、加盟国政府でつくる閣僚理事会と最終合意を目指す。

EUの夏時間制度はすべての加盟国を対象に、3月の最終日曜日に時計を1時間進めて夏時間とし、10月の最終日曜日に標準時間(冬時間)へ戻す仕組み。廃止には欧州議会と加盟国政府の承認が必要となる。
夏時間の廃止を巡っては、ユンケル欧州委員長が18年9月、自らの任期中の19年の廃止を提案。現行の「夏時間」と「冬時間」のどちらを通年適用する標準時間にするか、加盟国の判断に委ねていた。ただ加盟国がバラバラに選べば、域内に混乱を来す恐れがあり、調整には時間を要するとして、延期論が強まっていた。
加盟国政府でつくる閣僚理事会も、18年秋に当時の議長国だったオーストリアが21年への延長を提案。提案は正式採択されなかったものの、18年12月の閣僚理事会で、延期が必要だとの認識で一致していた。