米原油生産、45年ぶり世界首位 シェール増産効果
【ニューヨーク=中山修志】米国の原油生産量が2018年に45年ぶりに世界首位になったことが26日、米エネルギー情報局(EIA)の報告書で明らかになった。17年はロシア、サウジアラビアに次ぐ3位だったが、シェールオイルの増産により生産量が17年から約2割増え、両国を上回った。世界のエネルギー市場において米国の存在感が一段と高まりそうだ。

EIAによると、米国の原油生産は17年比17%増の日量平均1095万バレル。ロシア(1075万バレル)とサウジアラビア(1042万バレル)の生産量も17年実績から2~3%増えたが、米国の伸びが上回った。
石油メジャーBPの調べでは、シェールガスの採掘過程で発生する天然ガソリンを含めた生産量では、米国は14年にロシアとサウジアラビアを超えた。今回より厳密なEIAの統計でも1973年以来の首位となった。

EIAは米国の原油生産は27年まで拡大が続くと指摘。ピーク時の生産は18年実績の3割増となる日量1400万バレル台まで増えると予測する。20年には原油などのエネルギー輸出が輸入を上回る「純輸出国」となる見通しだ。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの主要産油国は今月半ば、合わせて日量120万バレル規模の減産を6月末まで続けることに合意した。生産調整によって原油価格の安定をめざすが、米国で大規模な増産が続けば相場の下押し要因になる。
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