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資源国や資源企業、商品取引で透明性の要求高まる

FTコモディティ・グローバル・サミット

【ローザンヌ(スイス)=飛田雅則】資源国や資源企業の間で商品取引の透明性を高めるため、監視を強める動きが広がっている。財政を資源に依存する国では汚職が原因で、国民に富が正しく分配されず成長が阻害されるケースが多いためだ。企業には紛争地域や腐敗した政権への資金供給を防ぐように、株主から圧力がかかる。履歴の改ざんが難しいブロックチェーン(分散型台帳)技術の利用も始まっている。

「資源大国はもっと(取引の)透明性を高める必要がある」。スイスのローザンヌで25日から開かれたFTコモディティ・グローバル・サミットで、採取産業透明性イニシアチブ(EITI)のフレドリック・ラインフェルト議長はこう強調した。

アフリカなど資源国では石油や鉱物から得られる資金が汚職で不正利用され、経済開発に使われず貧困にあえぐ例が多数ある。そこで資源開発や取引に関わる企業から資源国に支払われるお金の流れを監視するため、EITIは2000年代初めに活動を始めた。約70カ国の資源国や消費国に加え、資源大手が協力する国際的な枠組みだ。日本も参加している。

たとえば企業が政府に支払った税金やロイヤルティーなどの金額と、政府が受け取ったとして記録した金額の開示を求める。両金額に違いがあれば、お金が不正流出した懸念がある。政府のガバナンス(統治)を強化する取り組みでもある。

欧州の資源商社のトラフィギュラのジェームス・ニコルソン氏はサミットで「商品取引の分野で汚職は撲滅されるべきだ」と訴えた。トラフィギュラや同業のグレンコアなども参加し、政府に支払った金額の開示を約束している。「資源取引で支払われた金額の半分にあたる1兆4千億ドル分について詳細な情報が公にされた」とラインフェルト議長は成果を強調する。

今後も監視が強まりそうだ。アフリカの資源国ではブロックチェーンを使って、取引を記録する取り組みが始まっている。エチオピアは重要な輸出品であるコーヒーについて、農家から最終製品に至るまでサプライチェーンを監視。マダガスカルでは値段が高騰しているバニラの取引に目を光らせている。

企業側でもダイヤモンド鉱山最大手のデ・ビアスはダイヤ流通でブロックチェーン技術の活用を表明している。改ざんが不可能な同技術で原産地を記録することで、武装勢力で採掘された「不適切な資源」の流通を防ぐ。企業のコンプライアンス強化にもつながることから、こうした取り組みが広がる可能性がある。

商品取引の監視をめぐる取り組みは始まったばかりだが、公正な市場や価格の形成につながると期待する声もある。

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