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阪神の開幕投手、なぜメッセンジャー「独走」?

2019/3/29 6:30
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開幕投手に選ばれるのは、投手にとってこの上ない名誉だ。今季はこの投手を中心に投手陣を回して戦うと、監督がチーム内外に示すのだ。阪神・メッセンジャー(37)は、この大役を5年連続(6度目)で担う。

143試合の長期レース。開幕戦もその中の1試合と割り切ることはできる。1980年代に活躍した巨人・江川卓がそう見えた。実はそうでなく、西本聖との開幕投手争いにしのぎを削ったと引退後に漏らした。

江川対西本の争いは8度あり、4度ずつの"引き分け"だった。これに比べるとメッセンジャーは2013年に最初の開幕投手になり、1年おいて15年から5年連続の"独走"状態だ。

深刻な若手の足踏み

巨人の両者はシーズン中も成績を競ったが、阪神にはメッセンジャーの独占を脅かす投手が出なかった。頭角を現した若手も長続きしない。メッセンジャーの安定はともかく、若手の足踏みが深刻な問題だった。

メッセンジャーは6度目の開幕マウンドに立つ=共同

メッセンジャーは6度目の開幕マウンドに立つ=共同

10年に来日したメッセンジャーの存在感は薄かった。ソフトバンクなどを経て同年加入したスタンリッジに比べて制球が悪く、球種も少ないのが不安視された。初年は先発、救援の両方で起用されて5勝6敗だった。

この来日初年の経験をもとに力でねじ伏せようとした投球スタイルを少しずつ変えた。捕手陣の協力もあり、カーブを交えた緩急投法が効果的と知った。

2年目の11年からは先発専任となり、ローテーションの中心を占めた。15年に9勝だったが、残る7シーズンで2桁勝利をマーク。14年に13勝で最多勝のタイトルを取ったのを含めて通算95勝を積み上げた。

開幕戦(29日)でまたも先発することには誇りを感じている。外国人が絡んだ開幕投手で、阪神には苦い出来事があった。85年の優勝に13勝で貢献し、西武との日本シリーズでも2勝したゲイルが86年の開幕投手に選ばれなかった。「チーム最多勝のオレが選ばれて当然」とむくれ、この年限りで退団した。

この一件とは関係ないが、金本知憲前監督はオフになった11月に早々と「アクシデントがない限り、来季の開幕投手はメッセンジャー」と言明したことがあった。同投手への信頼の証しだろう。矢野燿大監督もエースへの信頼は揺るぎない。

9年間フル活動した同投手はフリーエージェント(FA)権を取得し、今季から日本人扱いされる。本人も「生涯阪神」を公言している。喜ばしいことだが、藤浪晋太郎や岩貞祐太が開幕投手になるほどの意気込みを示さないことには、阪神の飛躍は望めないだろう。=敬称略

(スポーツライター 浜田昭八)

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