ジャムコ、航空機シートで4600件超の検査不正
航空機内装品大手のジャムコは26日、生産子会社の宮崎ジャムコ(宮崎市)で航空機シートなどの内装品の検査に不正があったと発表した。有資格者が作業すべき検査工程で、無資格の検査実習生が検査印を借用し検査していた。一部の補修用部品では国土交通省に認定されていない事業場で検査されていた。航空機の安全性には問題ないと同社は説明している。
検査不正は2種類に大別される。無資格検査と国交省の認定外の事業場での不正検査だ。不正検査の合計は4608件になる。無資格検査は宮崎ジャムコで行われ、内装品の受け入れ検査と工程検査、完成検査の3工程の一部にあった。本来は社内資格認定制度に基づいて検査資格を持つ作業員が検査すべきところを、資格を持たない従業員が実施していた。
2015年4月から18年11月末までは勤怠記録と作業記録で調べ、それ以前は関係者から聞き取った。3工程で確認された検査不正は4413件。シートやその他の内装品の一部構成部品で無資格検査が見つかった。
国交省の認定事業場以外で検査が行われる不正もあった。新潟ジャムコ(新潟県村上市)や新潟中条倉庫(新潟県胎内市)で受け入れ検査がされていたが、本来は国交省から認定された立川工場(東京都立川市)で検査する必要があった。
不正は195件確認された。調査期間は15年4月から19年2月末で、装備品基準適合証を発行した447件のシートやその他内装品の一部構成部品を対象に調べた。
第三者による特別調査委員会を立ち上げており、委員会を通じて原因の分析や是正措置、再発防止策などをまとめる。現時点で業績への影響は軽微という。
(星正道)
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