2019年7月23日(火)

デサント、伊藤忠の人事案を全面受け入れ

2019/3/25 18:34
保存
共有
印刷
その他

デサントは25日、6月中に石本雅敏社長(56)が退任し、後任に筆頭株主の伊藤忠商事の小関秀一専務執行役員(63)が就くと発表した。両社は2018年夏以降、経営方針を巡り激しく対立していた。伊藤忠が敵対的TOB(株式公開買い付け)でデサント株の4割を握ったことで、取締役の構成を含む伊藤忠案を全面的に受け入れざるを得なくなった。

デサントは伊藤忠の人事案を受け入れざるを得なかった(本社に掲げられたロゴ)

デサント社長になる伊藤忠の小関秀一専務執行役員

伊藤忠は18年夏からデサント株を段階的に買い増し、19年1月末にTOB実施を発表した。2月7日にデサントがTOB反対を表明し、大手企業同士では異例となる敵対的TOBに発展した。

伊藤忠によるTOBは3月中旬に成立したが、出資比率は4割と過半数に届かない。経営の意思決定を左右するデサントの取締役構成をめぐり、TOBが成立した後も綱引きが続いていた。

デサント社内ではTOB期間中から「石本社長の退任はやむを得ない面はある。だが、それなら社外取締役は半数以上にしたい」(幹部)という声も多かった。実際、デサント石本氏と伊藤忠小関氏による協議の場での争点もトップ人事より取締役構成だった。

現在のデサント取締役の構成は「デサント側6人、伊藤忠側2人、独立した社外取締役2人」の「6、2、2」。これに対し伊藤忠は「2、2、2」を提案する一方、デサントは伊藤忠側の取締役がゼロの「1、0、4」を主張していた。

2月中にはいったん間をとった和解案で合意しかけたが、まとまらなかった。TOB成立後の再協議では伊藤忠側が「TOBが成立したのだからもう妥協しない」(伊藤忠幹部)と当初の「2、2、2」案を再び持ち出し、押し切った。

デサントは25日、社外取締役にネスレ日本社長兼最高経営責任者(CEO)の高岡浩三氏と、スカイマーク会長などを務める佐山展生氏を迎え入れると発表した。

石本氏は13年の就任以降、韓国事業を日本を上回る規模に育て、自社ブランド「デサント」の売り上げも拡大した。一方の小関氏は伊藤忠で繊維部門が長く、中国の駐在経験もある。デサントは1994年から2013年にかけて伊藤忠から3代続けて社長を迎え入れており、伊藤忠出身者は6年ぶり。小関氏は就任後、デサント社内で広がる伊藤忠への不満を和らげ、融和することが急務となる。

(小泉裕之)

 小関 秀一氏(こせき・しゅういち)79年(昭54年)東京外大卒、伊藤忠商事入社。07年執行役員、15年取締役常務執行役員、16年専務執行役員。山形県出身

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。