夫婦別姓巡る訴訟、サイボウズ社長の請求棄却
結婚時に夫婦別姓を選べない戸籍法は法の下の平等を保障する憲法に反するとして、ソフトウエア開発会社「サイボウズ」の青野慶久社長(47)ら4人が国に計220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。中吉徹郎裁判長は「憲法に違反する状態とはいえない」として、請求を棄却した。

青野氏は結婚の際に妻の姓を選び、仕事などでは旧姓の「青野」を通称として使用している。訴状によると、青野氏が持つ同社の株の名義を結婚後の姓に変更する必要があり、約81万円の手数料がかかった。投資家から「社長が株を持っていない」と誤解されることもあるとして、「効率的な経済活動が阻害されている」と訴えていた。
夫婦の姓については、民法750条が「夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称する」と定めている。この規定が憲法に反するかが争われた訴訟では、最高裁大法廷が2015年、合憲とする判断を示した。
このため、今回の訴訟では戸籍法に着目。日本人と外国人の結婚・離婚や、日本人同士の離婚などは戸籍法に基づいて姓を選べるのに、日本人同士の結婚では姓を選べないのは法の下の平等に反し違憲だと訴えていた。