ロシア疑惑、共謀「立証できず」 米司法長官が概要公表
捜査妨害は「証拠不十分」

2019/3/25 5:15 (2019/3/25 6:20更新)
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【ワシントン=中村亮】バー米司法長官は24日、2016年の米大統領選にロシアが介入した疑惑について捜査結果の概要を公表した。トランプ大統領の選挙陣営がロシアと共謀した疑惑を裏づける証拠は見つからなかった。トランプ氏が疑惑捜査を妨害した疑いについては、捜査を仕切ったモラー特別検察官が認定の判断を避け、バー氏が「証拠不十分」と結論づけた。

自宅から司法省へ向かうバー米司法長官(24日)=ロイター

自宅から司法省へ向かうバー米司法長官(24日)=ロイター

バー司法長官は24日、上下両院の司法委員会トップに書簡を送って捜査結果を報告した。モラー氏は17年5月にロシア疑惑の捜査を始め、今月22日にバー氏に捜査の最終報告書を提出していた。バー氏の書簡はモラー氏の捜査報告書の概要にあたる。

バー氏の書簡によると、モラー氏は最終報告書で「トランプ大統領の選挙陣営とロシア政府が共謀したり、協力したりしたとは立証していない」と説明した。ロシアの政府系組織が偽ニュースを広めて選挙介入をしたり、ロシアとつながる人物がトランプ氏の大統領当選の支援を申し出たりしたと指摘した。しかし、トランプ陣営との協力関係を裏づける証拠はないと結論づけた。

【関連記事】バー米司法長官が提出した捜査報告書の概要全文
 モラー氏は捜査で、トランプ陣営とロシア政府の疑わしい関係を明らかにしてきた。トランプ氏の長男ジュニア氏や娘婿クシュナー上級顧問は16年6月にライバル候補のクリントン元国務長官に不利な情報を持ちかけたロシア人弁護士と面会。モラー氏は、弁護士が不法に入手した情報の提供があったかなどの捜査を進めていた。

またトランプ氏が疑惑捜査を妨害した疑いについて、モラー氏は自身が作成した報告書で「大統領が犯罪行為をしたと結論づけないが、そのことが大統領を無罪にするわけでもない」と指摘。捜査妨害にあたる罪の有無を判断せず、バー司法長官やローゼンスタイン司法副長官に委ねた。両氏はモラー氏が積み上げた捜査情報を踏まえ、司法妨害を認定するには「証拠不十分だ」と結論づけた。

トランプ氏は17年5月、初期段階のロシア疑惑の捜査をしたコミー米連邦捜査局(FBI)長官を解任した。コミー氏は疑惑についての捜査を打ち切るようトランプ氏から求められたと証言。トランプ氏に捜査を妨害した疑いが浮上していた。

バー氏が証拠不十分と判断した理由には、モラー氏がトランプ氏本人を直接聴取できなかったことが考えられる。捜査妨害の立証では当事者の意図を聞き取るのが通例だ。バー氏は書簡で捜査妨害の証明には「合理的な疑いをなくす必要がある」と指摘した。コミー氏の解任に踏み切ったトランプ氏の意図が不明なまま罪を問うことはできないとの見解を示しているとみられる。

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