透析中止の23%、提言の手続き従わず 学会が調査

2019/3/24 16:50
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病院などで腎臓病患者らの人工透析を中止したり導入を見送ったりした事例の約23%が、日本透析医学会の提言に書かれた手続きに従っていなかったとみられることが24日までに分かった。

2016~17年に行ったアンケートの結果で、全国1407施設のうち510施設が回答。日本透析医学会理事を務める川島病院(徳島県)の岡田一義副院長がまとめた。アンケート結果について現場の医師からは、医療関係者への提言の周知が不十分との指摘も出ている。

人工透析を巡っては、公立福生病院(東京)で昨年夏、透析の中止を選んだ女性(当時44)が死亡した件について、学会などが問題の有無を調査している。

学会が14年に公表した透析中止に関する提言では、事前に意思表示する文書を作成するなど患者の自己決定を尊重することを重視。「患者、家族と十分話し合う」「本人の意思を繰り返し確認する」などとした。

全国アンケートの回答を分析した結果、こうした提言の内容に準拠していないと判断されるのは、中止や見送り事例の23.4%に上った。

理由は「がん末期で十分な話し合いができなかった」「認知症で本人の意思が確認できなかった」といった患者側の事情だけでなく、医療側の「提言を知らなかった」「提言を参考にしなかった」との事情もあった。

提言の存在を知っていた施設は80.4%で、実際に読んだのは59.9%にとどまっていた。

透析中止や見送りの中には、本来検討すべき状態ではなかったものの「本人の強い意思と家族の同意があった」との理由で行われた例もあったという。患者が高齢だったり、健康状態が悪かったりしたためという。

アンケートではこのほか、透析の中止や見合わせをした経験があるとした施設は47.1%。これらの患者のうち89.7%は高齢者で、46.1%が認知症だった。中止したり見合わせたりした後に治療を再開、開始したのは7.5%だった。〔共同〕

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