NY株460ドル安 米金利「長短逆転」で売り加速
円は一時109円台後半
【ニューヨーク=大塚節雄】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均が急反落し、前日比で460ドル下落した。欧州の景気減速に対する懸念から売りが先行。米債券市場では長期金利が一段と低下し、10年物が3カ月物を下回る「長短逆転(逆イールド)」が発生した。不況の前兆とされる現象だけに運用リスクを避ける空気が強まり、株価は一段安となった。

ダウ平均の終値は前日比460ドル19セント(1.77%)安い2万5502ドル32セント。2週間ぶりの安値で、下げ幅は1月3日(660ドル)に次ぐ今年2番目の大きさとなった。3月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)が大幅に悪化し、世界経済の減速懸念が広がった。米PMIの悪化やボーイングの下落も響いた。
ニューヨーク債券市場では長期金利が大きく低下(債券価格は上昇)した。米連邦準備理事会(FRB)が2019年中の利上げ見送りの見通しを示した20日、米金利には強い低下圧力がかかった。22日は日欧の金利低下と景気指標の悪化があいまって米債買いが再び勢いづいた。
長期金利の指標である米10年債利回りは一時2.41%台に下げ、約1年3カ月ぶりの水準に低下。2.46%台で推移した米財務省証券(TB)3カ月物を下回った。10年と3カ月の金利が逆転するのは07年8月以来、11年半ぶり。株式市場では利ざや悪化が懸念される金融株を中心に売り圧力がさらに強まった。
米金利の一段の低下に伴ってニューヨーク外国為替市場では円買い・ドル売りが膨らんだ。円相場は一時1ドル=109円75銭と前日終値から1円ほど上昇し、約1カ月ぶりの円高・ドル安水準をつけた。