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村上春樹の翻訳者が編んだ日本文学短編集

「ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29」。左は原書。

村上春樹の「ノルウェイの森」「1Q84」などを英訳した米国の翻訳者、ジェイ・ルービン氏が編者を務める日本文学短編集「ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇(たんぺん)29」(新潮社)がこのほど刊行された。2013年に英国の老舗出版社から出た一冊を日本に「逆輸入」したアンソロジーだ。

村上が寄せた序文「切腹からメルトダウンまで」が示すように、収めた作品は作家の世代も内容も幅広い。二・二六事件にまつわる軍人夫婦の自刃を描いた三島由紀夫の代表作の一つ「憂国」、山姥(やまんば)の生涯に女性の生き方を投影した大庭みな子「山姥の微笑」、東日本大震災を背景にした寓話(ぐうわ)的な物語である松田青子「マーガレットは植える」、東日本大震災後の日常を描く佐藤友哉「今まで通り」など。ルービン氏は収録作について「日本語で書いてある以外に共通点はない」という。

時代順ではなく「男と女」「自然と記憶」「災厄 天災及び人災」など、テーマごとに分類。そこには日本文学の主題となるもの、ひいては今を生きるうえで避けて通れないものが示唆されている。

「自分の国と言語しか知らない米国人に、違う国と文化と言語が存在することを教えても、害はない」とルービン氏。海外の読者に向けた日本文学から、日本の読者が得る気づきも多いはずだ。

(桂星子)

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