2019年8月26日(月)

JR四国、瀬戸大橋線以外は赤字

2019/3/22 20:21
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JR四国が22日発表した2013~17年度平均の線区別の収支で、四国内の乗り合いバスよりも採算が悪いことを明らかにした。唯一の黒字である本四備讃線(瀬戸大橋線)も今後、設備投資の増加で赤字に転落する可能性があり、鉄道網の厳しさは増していく。JR四国や4県などは今後、バスも含めて地域の足をどう維持していくのか、県別に対策を検討する。

高知市で同日開いた4県などが参加する懇談会で、JR四国は線区別の収支状況を報告した。各地域の公共交通をどのように維持していくのか、議論を深めるために初めて公表した。

JR四国によると、100円の収入を得るために必要な費用「営業係数」は全線の合計で平均144だった。営業係数は100を超えれば赤字で、数字が大きいほど採算が悪いことを示す。

15年度の四国内の乗り合いバスで、12事業者の合計でみた営業係数は平均116であり、JR四国の方が採算が悪かった。線路などのインフラを抱え、維持・更新に多額の費用を要することがJR四国の採算を悪くしている。

JR四国は4県などが参加する懇談会で、線区別の収支状況を説明した

JR四国は4県などが参加する懇談会で、線区別の収支状況を説明した

各線区の状況をみると、全18線区のうち本四備讃線を除く17線区で営業係数が100を超え、赤字だった。予土線の北宇和島―若井駅間が1159で最も採算が悪く、次は牟岐線の阿南―海部駅間の635だった。

営業係数が100を下回る唯一の黒字の線区は本四備讃線の児島―宇多津駅間で、営業係数は84だった。だが、瀬戸大橋の開通から30年が過ぎ、設備の維持・更新費が今後増える見通しで、赤字に転落する可能性があるという。

JR四国の半井真司社長は「経営努力はしてきたが、人口減で非常に厳しい」と話す。利用客が多い高松―多度津駅間の営業係数が115、松山―今治駅間が123であるなど、都市部の線区で稼ぎ、過疎地の赤字線区を支えるという構図を描けない。これが鉄道網の維持を難しくしている。

このため、JR四国も過疎地の線区の存廃問題だけに、焦点を当てるつもりはない。都市部の線区の利用客数の増加策とセットで、4県などと議論していく。

JR四国はこうした経営の現状を、4県などが参加する懇談会で説明した。委員からはJR四国に対して経営努力の徹底を求める意見が出る一方で、鉄道網の維持が難しくなっている現状は共有された。

JR四国や4県などは19年度に開く次回の懇談会で、四国の公共交通の今後の方向性を示す中間報告を取りまとめる予定。その後、県ごとに具体的な施策の議論を本格化させる。鉄道だけでなく、バス会社も経営は厳しく、地域の公共交通の未来図を描く際には柔軟な発想が求められそうだ。

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