2019年5月21日(火)

悠々球論(権藤博)

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人がやらぬことをやる イチローが貫いたスタンス

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2019/3/24 6:30
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 イチローの成功の秘密はひと言、「人のやらないことをやったから」――。野球評論家で、オリックスの新人時代からその才能に注目していたという「イチロー・ウオッチャー」、権藤博さんに引退の報に接しての思いを寄稿してもらった。

イチローの引退の知らせに驚く一方、昨年あたりから、そろそろ危ないかもという虫の知らせもあったので、やはり、と思わないでもない。

危ないかもと思ったのは2018年3月の米アリゾナでのキャンプを視察したときのこと。オープン戦で「1番・左翼」で先発出場したが、右ふくらはぎを痛めて打席に立たないまま、退いた。表の守りで特に激しい動きをしたわけでもなかったのに痛めた。

記者会見で現役引退を発表するイチロー。驚く一方、昨年あたりからそろそろ危ないかもという虫の知らせもあった

記者会見で現役引退を発表するイチロー。驚く一方、昨年あたりからそろそろ危ないかもという虫の知らせもあった

44歳になっていたとはいえ、イチローにあるまじきアクシデントに不吉なものを感じた。驚異的な回復で開幕には間に合わせたが、結局、5月には会長付特別補佐という肩書になって、以後の試合には出場しない、と発表された。

日々の積み重ねが生んだヒーロー

その後の約1年、試合に出ないと決まっているのに、いつもと変わらない調整を続けたという。イチローにしかできないことだろう。引退会見で「これはひょっとすると誰にもできないこと。いろいろな記録よりも、自分の中ではちょっとだけだが、誇れることかもしれない」と話したそうだ。

試合があってもなくても自分を厳しく律することができるのがイチロー。その日々の積み重ねによって生まれたヒーロー、ということがよくわかるエピソードだ。

その自己管理に狂いはなかっただろうが、一つだけ問題があった。走る、守る、投げるの3要素は日ごろの練習だけでレベルを保つことができるが、打撃だけは実戦のボックスに立たないと、たちまち鈍ってしまう。

たとえていえば、それは試験もないのに勉強だけ続けるようなもので、点数がつかないから自分が今どの位置にいるかもわからないし、モチベーションも湧いてこない。

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