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長谷川滋利氏「イチローが変えたメジャーの価値観」

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2019/3/23 6:30
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 米大リーグ、マリナーズのイチローが21日、現役引退を表明した。オリックスやマリナーズ時代の同僚で、プライベートでも親交がある長谷川滋利氏(50)に、数々の偉業を成し遂げた希代の大打者の素顔を語ってもらった。

僕がプロ2年目にイチローがオリックスに入団してきた。高校を卒業したばかりの若者だったが、当時から素質は光るものがあった。僕が選手として意識し始めたのはその翌年のこと。調子が悪くて2軍に落ちたとき、彼もそこにいた。ウエスタンリーグで9番の僕が出塁して1番のイチローの安打で本塁に生還。何気ないワンプレーだったが、今でも2人の間で話題に挙がる思い出だ。

1994年9月、シーズン最多安打のプロ野球タイ記録を達成し、仰木監督(左)と握手する=共同

1994年9月、シーズン最多安打のプロ野球タイ記録を達成し、仰木監督(左)と握手する=共同

大きかった仰木監督の薫陶

3年目に「振り子打法」で210安打を放って一気にスターへの階段を駆け上がった。高校時代はそこまで注目されていなかっただけに、取り巻く環境が急激に変わっていく戸惑いもあっただろう。本人も記者会見で語っているが、この年に就任した仰木彬監督の薫陶を受けたことは彼の野球人生にとって大きかった。現在のアスレチックス監督で、マリナーズの監督でもあったボブ・メルビン監督も選手目線でイチローに合う指導者だったが、よき監督に恵まれたことは幸せなことだったに違いない。

長谷川氏はオリックスやマリナーズ時代の同僚で、プライベートでも親交がある

長谷川氏はオリックスやマリナーズ時代の同僚で、プライベートでも親交がある

僕がエンゼルスからマリナーズに移籍した2002年から、お互いの距離がより近くなった気がする。佐々木主浩さんを含めて日本人が3人しかいなかったこともあったが、よく食事に出かけた。海を渡ってもイチローはイチローのまま。技術はどんどん変化していったが、まっすぐでまじめな男は何をするにも一本筋が通っていた。

食事の席で「毎年同じフォームで打ってきたわけではない」と語ったことがある。大なり小なり、自分にとっての最善を探し、体と相談してフォームを固める。その作業を続けていた。僕が感心したのは、微妙な判定で三振しても絶対に何も言わないところ。審判のジャッジが正しいときは胸を張ってベンチに帰るんだけれど、納得がいかない判定を受けたときに選手としての真価が問われる。「怒るんじゃなくて、背中で語るんですよ」。そんなことを言っていた。

球場入りしてからストレッチ、マッサージに1時間かけるルーティンは決して崩さなかったし、それをやり続けるすごさはそばで見て感じていた。食事面でのこだわりも相当なもの。よく知られているのが、毎日食べていたカレーだろう。「メジャーでそんな食生活では体が持たないだろう」と思っていたが、本人もそれはわかっていたはずで、一種の儀式的なものがあったのではないか。マリナーズのシェフはメキシコ人で脂っこいメニューが多くて僕も困ったが、イチローは弓子夫人の手作りのおにぎりをお昼によく食べていた。記者会見でも感謝を口にしていたが、内助の功も米国で活躍するには欠かせなかった。

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