2019年7月17日(水)

急性期の脊髄損傷 たんぱく質製剤で改善 慶大など

2019/3/22 13:16
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慶応義塾大学の中村雅也教授らは、脊髄を損傷して間もない患者にたんぱく質の製剤を投与する臨床試験(治験)で、運動機能が改善したとする研究結果を公表した。薬を使った患者の約半数で改善がみられた。21日から神戸市で始まった日本再生医療学会で報告した。

治験は脊髄を損傷して3日程度の「急性期」の患者45人を対象に、2014年に始まった。細胞死を抑えたり血管を作ったりする働きがあるHGFと呼ぶたんぱく質の製剤を患者に注射した。

投与した患者26人の約半数で、半年ほどで運動機能が改善した。リハビリだけの患者は2割弱の改善にとどまった。製剤を投与した完全マヒの患者の約26%が、つえなどの補助をつけて歩ける程度にまで改善した。

脊髄は損傷直後に炎症が起き、損傷がさらに広がる。中村教授らは治験で投与したたんぱく質で損傷が広がるのを抑えたとみている。特に脊髄の外側にある下半身の神経まで損傷が広がらなかったことが、効果につながったとみられる。

慶応大はiPS細胞を使い脊髄損傷を治療する臨床研究を進めているが、損傷から2週間以上経過した「亜急性期」の患者が対象。急性期を対象とする今回の手法と併用した治療法を確立できる可能性があるという。

HGFの製剤は創薬ベンチャーのクリングルファーマ(大阪府茨木市)を通じ、販売承認の申請を目指す。

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