2019年5月25日(土)

米・メキシコ、移民対策に100億ドル 中米で雇用拡大

トランプ政権
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2019/3/21 3:13
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【メキシコシティ=丸山修一】メキシコのロペスオブラドール大統領は20日、米政府との間で中米からの移民対策として総額100億ドル(約1兆1100億円)の経済支援プログラムの実施へ向けた協議を進めていることを明らかにした。経済支援で現地の雇用を拡大し、キャラバンと呼ばれる集団を形成して米国を目指す中米諸国からの移民を減らしたい考えだ。

中米からの移民は後を絶たない=ロイター

ロペスオブラドール氏とトランプ米大統領の娘婿、クシュナー上級顧問が19日夜、メキシコシティで会談。プログラム実施に関する合意へ向け協議を進めることを確認した。ロペスオブラドール氏は「2国間で中米への投資に合意できることを願っている。100億ドルで雇用を創出し、移民が(唯一の手段ではなく)選択肢の1つになるようにしたい」と話した。

近年、犯罪組織の暗躍による治安悪化や、経済の低迷でホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドルといった中米諸国から米国を目指す移民が急増している。昨秋からはキャラバンと呼ばれる集団で米国を目指す動きが特に目立ってきており、メキシコ国内を通過して不法に米国境を越える移民が後を絶たない状況になっている。

中米移民に関してロペスオブラドール氏は強制的な阻止ではなく、地域の経済振興による雇用の創出こそが解決策だと主張しており、米側に共同で経済支援を実施するように求めている。すでにトランプ氏とも電話会談の際などに意向を伝えており大筋で合意したと主張するが、現時点で両国が正式に署名に至る段階になっていない。クシュナー氏との会談で改めて協力を求めたようだ。

不法移民に対して厳しい姿勢を続ける米政府は、メキシコから不法に入国して難民申請をしている移民をメキシコ側で待機させる措置を始めている。メキシコ政府は「一方的措置」(外務省)として反発を見せるが、「移民の人権に配慮する」として受け入れを続けている。ロイター通信によるとすでに200人以上がメキシコ側に身柄を移された。

これとは別にメキシコ政府は移民集団の一部にはビザを発給して、メキシコへの定住を促すような動きもみせている。米政府がメキシコ政府に中米移民の米入りを阻止するように求めているためだ。ただビザ発給も無制限ではなく、現在は国境付近で不法移民を拘束して強制送還するなどの措置も実施し始めている。移民に対する政府の対応はちぐはぐなままだ。

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